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宮殿の一番高い所まで来ていた
高い所と水辺は気持ちが落ち着く。
高い所にいると空を飛んでいるような気がして、昔に戻れた気がして苦悩や孤独心が紛れた。
だけど、今日は紛れない。
立法にサヨナラと言ってしまったことを悔いている自分がいるのだ
追ってくることもわかっていた僕はセイレーンの力をその言葉に乗せた
"動くな"と
弟「あーぁ、クソ立法に会えない悲しい〜。現世でグレようかなー。」
『!!!?水晶!!?』
弟「男の姿で泣かないでよねー姉さん。」
『会いたくない悲しくない泣いてない。』
弟「はいはい」
いつの間にかやってきた水晶が僕の横に腰を下ろした
弟「あのさ、あいつは姉さんの事女性としてみてるんだよ」
『僕をなめてる?』
弟「いや、そうじゃなくて…にっぶいなぁ〜……あの言葉はね愛ゆえにってやつ」
『愛?…そもそも見てた。ふぅん』
弟「あいだだだ!!痛いって!!」
僕を必死に慰めようとする弟がおかしく思えて、同時に嬉しくて、照れ隠しに話をそらした
ついでに耳を引っ張ると、うっすら涙をためた瞳が睨み返してくる
弟は僕が距離をおいても、それを縮めてくるのがとてもうまかった
今だってそうだ。ちゃっかり僕の背中をさすっている
弟「ほんと宮殿から出ないの?」
『元々僕らは動き回れないのが当たり前』
弟「そうだよねぇ……隠世とこの命は繋がったも同然なんだし」
そう、願いの力を受けた僕らは、それを叶える義務がある
それを今から果たしていけばいい話
父と母の育った世界に行ってみたいという願いは随分昔から叶っていた事だから、今度はみんなの願いを叶える番なのだ…きっと…。
弟「ぶっちゃけさ、僕はここから(動くのめんどいから)出るつもり無いし。姉さんは現世行こうが好きなことしていいと思うんだよね(僕もこっちで好き勝手できるし)」
『ここまで裏を感じる言葉を聞いたことがない。』
弟「うわ。ほんとに双子やめたい」
『うわ。僕の台詞』
ジトッとお互いに見つめ合っていると、何だか可笑しくなってふっと笑いがこぼれた
久しぶりに弟に向けて笑顔を見せた。
弟「やっぱ僕は笑った姉さん好きだよ」
『知ってる』
弟「あーやっぱ嫌い!」
冗談を言いながら見上げた空は、雲一つないどこか寂しげな空で、しかしながらきれいな空でもあり
僕の心がそう感じ取っているのか、不思議な気持ちになった
物怪庵に戻りたい…。
小さな呟きは風と共に流れた。
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い!;;暖かなコメ有難う御座います!まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします! (2017年10月15日 10時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです!更新頑張ってください!!(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います!確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー`*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ!!面白いです!更新頑張って下さい!僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) シ ョ ホ ゙ ホ ゙ ホ ゙ ー ン (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷夜猫 x他1人 | 作成日時:2017年4月1日 8時