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そこは隔離された厳重なセキュリティーシステムのかかる立ち入り禁止区域
寄生樹の研究所だ。
宮殿から少し離れた場所に設立してあり、中には大小様々な寄生樹がホルマリン漬けの様に機械にかけられている
カードを通す所に僕の身分証明カードを差し込むとすんなりとその扉は開いた
『こんにちは。書類、届けに来た』
「これはこれはご足労かけましたな」
中心部に位置するガラス越しの実験室に、このラボを仕切る研究所長がいた
大きな寄生樹をバックに、にこやかに微笑んでいる彼は昔馴染みで信頼も熱いおじいさんだ
「書類ありがとう。現世の寄生樹の記録までついてくるなんてねぇ」
『研究は？』
「全く持って不可思議だよ。見てご覧なさい」
そう言って僕から一歩横にずれた
そこには腐敗する事もなく美しい翼が寄生樹に絡めとられたままそこで静かに佇んでいる
僕の失った片翼
今ではもう二度と飛べなくなってしまった原因が僕の目の前にある
『別に…もう諦めてる……今は生きているだけで幸せ。』
「そうかい…それでも僕は研究を止めないよ？だって、君が大切だからね、僕に君がいるように君にもいるだろう？」
『僕に…？』
「大切な人が。君を救うこの研究は、全ての妖怪の救いに繋がる。寄生樹に恐れず過ごせる事なんだよ」
あぁそうか…
僕らに尽してくれる人たちは、その先までも見てそうしているのか
自由じゃないと思っていたけど、皆が皆そうでもないのかもしれない。
少なからずともこのラボに居る者達はそうだろう
『僕も天皇としてこの隠世を変える。』
「そうかいそうかい」
『現世に出て知るもの沢山。中でも学校は必要』
「ふむ、学校か…」
僕の中で何か決意が固まった気がした
ふらふらとただ現世に居るだけじゃいけない。立は僕に本当に教えたかったものは…
感情なんて大まかなものじゃなくて
天皇としての覚悟と、今隠世に足りない物を知る事だったのかも知れない
立「おや、ようやく気が付いたようだね」
『何で立…』
立「モノノケ庵が繋がった気配がしたから、もしやと思って宮殿に行ったんだよ。そしたらここにいるって聞くし」
ふうっと吐き出された煙管の煙が宙を舞う
立「暫くは現世に行かなくてもいいんじゃない？モノノケ庵も二人の奉公人が居るしねぇ…」
『え…』
立は変わらず笑みを崩さない
冷たい汗が、僕の背中を伝っていった。
…もうイツキ達と過ごせない？
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い！;;暖かなコメ有難う御座います！まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします！ (2017年10月15日 10時) (
レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです！更新頑張ってください！！(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います！確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー｀*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ！！面白いです！更新頑張って下さい！僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) ｼ ｮ ﾎ ﾞ ﾎ ﾞ ﾎ ﾞ ｰ ﾝ (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷夜猫 x他1人 | 作成日時：2017年4月1日 8時
