10＿＿翼 ページ21
ヤヒコの件は、寺を手伝うと言う形で終わりを告げた
隠世に払わなかったのは…ヤヒコが隠世に行く事ができないから
いつかその日が来るまでは、この現世に留まるらしい。
そんなこんなで暫く間が空いた今日の夕刻
僕はいつものようにモノノケ庵で書類の整理に追われていた
いつ持ってくるのか、弟が僕の目を盗んでやって来ては書類を置いて帰るらしく
その姿を僕は一度も目撃したことがないというのだから、不思議でたまらない。
『ねぇイツキ』
晴「何だ？」
『この書類一枚だけ別の所だから、渡してくるね』
晴「わかった。そのまま家に繋ぐか？」
『うん』
違う書類を見つけ、少しモノノケ庵を空けるが問題ないだろう
夜の電話は比較的睡眠を取る必要のない妖怪である僕が対応しているけれど、最近は夜に依頼が来る事はない
だから、大丈夫だと繋がれた躙口を通った
実家に戻るだなんていつぶりだろう。
今まで記録してきた現世での妖怪の動きや寄生樹など、ノートをめくりながら歩く
これも僕の仕事だから仕方がない
「なんと！陛下がご帰還なされた！！早急に準備せよ！」
『む。男になるのを忘れていた』
「どうぞ、お召し物でございます」
僕のつぶやき一つ聞き逃さない
それが、上級従者の凄いところ
忠誠心の強い事から昔、父と母に助けられた者、あるいはその子孫伺える
僕はあまりこの空気が好きじゃない
せっかく人間に怯えず自由な世界だというのに、僕らに尽くしていたら自由じゃないじゃないか…
今もそう思う時がある
「陛下様ぁ〜！おかえりなさいませ〜！」
「A様だー！」
小さな子供達が飛びついてきておかえりなさいとニコニコ笑う姿を見ていると何だかとても癒された
『ここ、窮屈と違う？』
「ぜんぜん！だってね沢山のお花さん見れるもん！」
「本だってよめるよ！図書室の窓から下を見たらとっても綺麗なの〜！！」
『そうか』
一応一般開放して、一部立ち入り自由にはなっているが
それで本当に満足なのだろうか
しかし、それで幸せだというのならば僕は何も言わない事にする。
またねと手を降る子供達を見送って、僕も目的の場所へと歩き出した
行ちゃんがハナエに手を出すのもそう遠くはないのかもしれない。
どこかで黒い鳥が飛んだ。
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い！;;暖かなコメ有難う御座います！まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします！ (2017年10月15日 10時) (
レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです！更新頑張ってください！！(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います！確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー｀*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ！！面白いです！更新頑張って下さい！僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) ｼ ｮ ﾎ ﾞ ﾎ ﾞ ﾎ ﾞ ｰ ﾝ (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷夜猫 x他1人 | 作成日時：2017年4月1日 8時
