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今宵は満月。最も妖力が増すとも言われる日だ


とは言っても月が出るには程遠い午前8時、かなり時間を余らせて学校に着いた

少し居なかっただけなのに酷く懐かしく感じる



「禅子ォ!?」



廊下から聞こえたその名前にも懐かしさを感じるくらいだ


晴「あ゛?」

『ハナエの声…』


前の席のイツキは何かを思ったらしく、廊下へと歩いて行った



そんな時に、一限は現国か…なんて呑気に考える僕は随分と人間味が出てきた気がする

のそのそと教科書を取り出して準備をする


特にする事も無く読書でもしていようかとした所で強い妖気が皮膚を伝った

何処か懐かしさを含むそれに導かれて足を踏み出したのだが…



「安倍さん久しぶり!体調大丈夫?」
「おいおい抜けがけは無しだろ?Aちゃんおはよ!」

『あ、おはよう…体調なら平気』

「今日は珍しくあいつらと居ないんだね!喧嘩か?」
「なら俺達と仲良くしよーぜ!」




二人の男子に阻まれて進めなくなってしまった

話せば話すほど、イツキの威光を感じたり、廊下の妖力は動き回ったり…
状況がより分からない


適当に相槌を打ちながら機会を伺っていたのだが、結局チャイムが鳴るまで訪れる事はなかった



『イツキ!』

晴「何だA」

芦「あ!おはよう」




扉を開けると同時に消えた妖気
あれは紛れもない……あの子のもの


『今、強い妖力感じた……その子にもかすかに残ってる』

禅「?」

『その腕、感じる……』

晴「わかるのか」

『…微量だけど』



そっと女の子の腕をめくると印と噛み跡が出てきた
その印を見た瞬間、サアッと何かの映像が流れる。

狐、寺、墓石、隠れん坊

無意識にハルフゥの力が出ていたのかもしれない。



『あれと隠れん坊?』

晴「あぁ」

『青流寺?』

禅「そうだけど、貴方は?」

『安倍A……禅子、だよね…さっき見た』



イツキ以外がさっき見たと言う言葉に首を傾げる

禅子に妖怪であると明かすには戸惑いがあった為に、未来がたまに見えると簡略して話した

悪い子ではない事はミツチグラの件でよく分かってはいる


『まぁ…よろしく』

禅「よろしく。それじゃあ授業が終わり次第、皆うちに集合ね」



それを合図に各々教室に戻る

朝から感じていた懐かしさはきっとこれが原因だったのだろう

視界の隅で三叉の尻尾が揺れた気がした






久しぶり






ヤヒコ。

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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い!;;暖かなコメ有難う御座います!まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします! (2017年10月15日 10時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです!更新頑張ってください!!(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います!確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー`*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ!!面白いです!更新頑張って下さい!僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) シ ョ ホ ゙ ホ ゙ ホ ゙ ー ン (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷夜猫 x他1人 | 作成日時:2017年4月1日 8時

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