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もう少し人間と関わりたい。僕にしかできない事がある。
そう伝えたのだが……
不貞腐れる行ちゃんを宥める事3回
行かないでと拒まれる事5回
イツキと睨み合う事10回
それは僕の精神力を削ぐには実に効果的で、考える事を放棄させるには充分だった
いっその事二人をいもり池まで誘導して落としてやろうとも考えたのだが、歌う気力さえも怪しい
晴「いつまで駄々をこねるんだ行政」
行「ここ数年間ずっと貴方の側にいるじゃないですか。」
晴「妖怪の数年なんてたかが知れてるだろ」
行「片時も離れたくない気持ちが理解出来無いんですね貴方。」
晴「あ゛?」
エンドレスされる会話はまるで、少し前の時代のテープを巻きもどすかのように繰り返される
そんな巻きもどす時間など僕には無いというのに
学校に行きたい気持ちと、早く終わらせたいこの会話に苛立ちが募り、それは遂に抑え切れなくなった
『うるさい。そこにせいざしろ。』
晴「ッ!」
行「ぁ…」
僕の声と同時にガクッと膝をつく二人
スッと目を細くしてその顔を見ると、息を合わせるかの如く身震いをした
マジギレ
おこ
そんな言葉が似合うであろう僕の顔は一体どんなものか分からない
それに、怒った辺りから記憶があやふやなのだ。
気が付いたらおとなしくなった行政と物怪庵を呼び出しているイツキがいた
『行ちゃん』
行「な、何です?」
『あっちで死ぬ事は無いだろうし、定期的に戻ってくるからその時には会える』
行「…不服ですけど、我慢します。」
うん
そう微笑んで少し高い彼の頭をポンポンと撫でた
昔行ちゃんが、僕にしてくれた様に
驚いて目を見開くのを最後に、物怪庵で待つイツキの元へと駆ける僕
学校に行きたいけど、行ちゃんと暫く会えない事も寂しい
だから、僕ができる最大限の笑顔で
『行ってくる、行ちゃん…!』
行「!!ふふ、行ってらっしゃいA」
しばしの別れを……。
◆
物怪庵が姿を消した部屋で1人
行政は深刻そうな表情で呟いた
行「貴方が…Aが人間と親密な関係を持つのは……隠世によって大罪に等しい…」
貴方は隠世に住まう者達の願いから生まれたモノ…
たとえ2種族の血をひいた妖怪だとしても
強い願いを受けて生まれたものは、それに縛られて生きていく
ねぇA……
貴方が長く現世へとどまれないのは
弟含め貴方が隠世そのものだからでしょう?
どこからともなく羽が1枚
床に舞い落ちた。
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い!;;暖かなコメ有難う御座います!まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします! (2017年10月15日 10時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです!更新頑張ってください!!(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います!確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー`*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ!!面白いです!更新頑張って下さい!僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) シ ョ ホ ゙ ホ ゙ ホ ゙ ー ン (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷夜猫 x他1人 | 作成日時:2017年4月1日 8時