ページ ページ23
立ち上がらない僕とイツキをみてハナエは首を傾げる
芦「ん…あれ?もしかしてお二人は来ないんですか?」
晴「あ゛?一つの物を取りに行くのにぞろぞろ要らねぇし。5歳児でも一人でお使いくらいできんだろ?」
芦「誰が5歳か!!俺のお使いデビューは4歳です!」
何もムキにならなくても…
二人のやり取りに今度は僕とミツチグラ様が黙って見つめる
こうしてイツキを見てると前より雰囲気が柔らかくなったように思えた
芦「お面と一緒に木魚くらい持ってきてやりますからっ」
晴「それはお使いじゃなくて窃盗だ。」
スパンと扉を閉められる
大変なのに絡まれないといいねハナエ。
直感がハナエの新たな出会いを感じていた
しかしながらとミツチグラ様が間を開ける
「芦屋様は働き始めて日が浅いのでしょう?一人で行かせてしまって大丈夫だったのですか?」
晴「まぁ…何事も経験ですよ」
『いざという時は僕がいるし』
とは言うものの
イツキの顔はとてつもなく不安に駆られた表情をしている
依頼人よりも不安を抱くイツキを今までに見たことがあるだろうか…
ふぅ…となんとも言えないため息を吐いた
「芦屋様が見えなくなられましたので、1つ伝言をお伝えしましょう。上の方が何時戻るのか。と」
『!…それは立法か?』
「いいえ、A様の良く知るお方だと思われますが……隠世からは黙ってこちらへ?」
『いや…立法の法律に従ってだ』
どういう事だ?とイツキが目を細める
隠世世界には三権だけでなく、影で動いているその上の権力者が居る。
隠世の世界とその秩序を保つ為に三権を生み出した、所謂隠世の神のような者。天皇と呼ばれているらしい。
上の方とはそれの事だろう
立法の作った法律は全て天皇へ行く事が義務付けられてるのだから僕のことを知らないわけがない
となると、長らくこちらに留まりすぎたのが原因か
『…イツキ。そろそろ薬無くなるでしょ?』
晴「あ、あぁ。そうだが」
『丁度いいね。数十年ぶりに________。』
イツキの目が見開かれた
ミツチグラ様はなるほど…とゴリゴリ音をたてながら頷いている
僕はイツキの小さい頃からを知ってるけど、イツキは僕の事何も知らないんだったね
悲しい僕達の溝。
イツキの寿命が尽きるが早いか、僕らの溝が埋まるが早いか
答えはわかりきっている。
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:氷夜猫 | 作成日時:2017年3月23日 18時