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んんーっと大きく伸びをした僕。

水に触れるのは凄く大好きだけど、この様な屋上と言った高い所で風を浴びるのも悪くは無い


あの後、色々あったわけだけれど"芦屋"という名前を聞いたイツキが再優先であの白モフを祓う事にしたのだ

まぁ、芦屋って言ったら昔から…



芦「必死に頼むオレをからかって面白がってるのか!」



吃驚して僕の思考が止まった。
ぎゅっとイツキの後ろで羽織を握る

やっぱり、お前も他の奴等と同じかと呟くイツキ



晴「1つ言っておくが、俺はあんたが苦しもうが死のうがどうでもいい。人のためじゃない。俺は_」




"妖怪(こいつ)の為に祓うんだ"




ドキリと胸を打ったその言葉

現し世には、まだこんな人間が残っていたのか…

何だか目尻が熱くなってくる。僕に対していったわけじゃない。目の前の白モフに対して言ったのだ

それでも
こんなにも心が軽くなるのは何故だろう



晴「俺と一緒に遊ばないか?」

芦「!?はっ離れた!!」



イツキが優しく白モフを撫でるその横で、喜びに浸っていた芦屋。
僕は知らぬ間に口を開いていた



『蹴られ殴られ…それでも貴方に必死で憑いていたのは、何でだと思う?』

芦「それは俺が先週こいつのしっぽを踏んづけたから」

『それなら貴方は死んでる』



それなら何で…と聞く芦屋に僕は目を伏せながら言葉を紡いだ


大好きな人と一緒に生きていけない世界に逝って
それでも頑張って自分の存在を教えようとして

それから暫くして気付いてしまうの

誰も見てくれてないって、誰も自分の存在を知らないって。
現し世(ここ)で見える人ってほとんど居ないから…




晴「だからこいつは、自分を無視しない芦屋にあって」


晴「『嬉しかった』んだよ」



僕の声とイツキの声が被さる。

僕の過去なんてこんな優しい物じゃないけれど
もしも僕がこの子なら、きっと同じ事してたかもしれない


ハナエの顔つきが変わったのを確認して、僕はハナエに「遊ぼう」と誘った


きっとそれが今のハナエにできる白モフに1番してあげられる事だと思うから。





『ねぇイツキ』

晴「何だ?」

『イツキも遊ぶ』

晴「ちょ!おい!」




無理やり引っ張る彼の腕

僕、イツキの事大好きなんだって
気付いたのはハナエと白モフのおかげかな



屋上に楽しい笑い声が響いていた。

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作者名:氷夜猫 | 作成日時:2017年3月23日 18時

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