【文スト】いろは歌の少女

人虎事件＿参 ページ5

ガツガツと茶漬けにありつく中島
その姿はまるで


貴『…肉食動物ね……』

ボソリと呆れ返って呟くA
まだ半分も飲んでいないコーヒーに対して中島は既に20杯近くは食べている

それは彼がどのくらい餓え苦しんでいたか痛いほどわかる光景であった


国「おい太宰早く仕事に戻るぞ」

国木田はテーブルをトントンと叩きながら大幅に予定が遅れたと忌々しげに太宰を睨みつける


貴『…予定予定と…毎日……』

太「国木田君は予定表が好きだねえ」

予定と言われたのがよほどかんに触ったのかテーブルを激しく叩き立ち上がる


国「これは予定表ではない！！理想だ！！我が人生の道標だ、そしてこれには『仕事の相方がじさつマニア』とは書いていない」


ひと通り熱弁するとゆっくりと腰を下ろした
何故立ったのか…意味はあったのだろうか…そうAが思っているとガツガツと食べていた中島が喋り出す

敦「ぬんむいえおむんぐむぐ？」

国「五月蝿い出費計画の頁にも『俺のかねで小僧が茶漬けをこしたま食う』とは書いていない」

敦「んぐむぬ？」

国「だから仕事だ！！俺と太宰は軍警察の依頼で猛獣退治を＿＿」

太「君達なんで会話できてるの？」

貴『人間ではないのでしょう…』


冷静に突っ込む太宰とさらりと失礼な事を言いコーヒーを飲むA
だがそれ以上に失礼な奴がいた
茶漬けを奢ってもらっておきながらもう十年は見たくないというのだ

国「お前……」

あれだけ茶漬けを食べてまだ食べたいと言う奴がいればそれは依存レベルではないだろう

もはや病気だ。

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