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49話 ページ6

烏養side


「……今までも、そうやって色んなポジションをやってきたのか?」

黒「そうですよ?」

当然だ。

黒狼は、それがまるで…当たり前であるかの様に、平然とした返事をする。

この話を、先生はどう思って聞いているのか。

それが気になり、一瞬だけ視線を運転席へと移す。

黒「武田先生は知っていますよ?」

「!」

一瞬。

ほんの一瞬。視線を移しただけだった。

しかも、この暗闇でだ。

それなのに黒狼は、その動きを見逃さなかったのだ。

ジッと、黒い…黒い中の赤が揺らいだ気がし、ゾクリと背中を冷たいものがつたる。

まるで、獰猛な猛獣にでも遭遇したかの様な、嫌な恐怖心が、自分の内側から湧いてくる。

そんな感じがした。

黒狼は、口は弧を描いているが瞳の奥は冷めた表情をしている。

何と声を出していいか分からず、口をぱくぱくとさせていると…

武「黒狼くん。からかうのは程々にして下さいね」

前から声が聞こえた。

黒「はーい、ちょっとふざけ過ぎました」

「…っ!」

ハッと息を吐く。

どうやら少しの間、息を止めていた様だ。

黒「すみません、烏養さん。
何だか面白くなっちゃって…。悪ふざけが過ぎましたよね」

先程とはうって変わって、落ち着いた雰囲気を纏わせている。

「__い…や、気にするな」

やっと出てきたのは、そんな言葉だった。

黒「質問の答えの続きですが、さっき言った事が全てです。
居ないから…、これが理由です。
今まで、監督とかは殆ど居なかったので、主将に決めてもらっていました。
なんていっても、俺は経験者では無かったので。だから、言われた通りのポジションを引き受けてきたんですよ」

烏「そう…か」

あまりにもにこやかに、明るい声色で話すもんだから、それ以上は何も言えなかった。

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カナ - 夢主の弟分って誰だろう? (2019年2月5日 18時) (レス) id: 3d9d37ad51 (このIDを非表示/違反報告)
おひるねこ▽・w・▽(プロフ) - りあさん» コメントをありがとうございます(o^^o)ゆっくりペースですが、またお立ち寄り下さい。 (2016年12月22日 18時) (レス) id: 84eedbd47b (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - すっごく面白いです!! 読む度にワクワクします。これからも更新がんばって下さい!! 応援してます。 (2016年12月5日 1時) (レス) id: 705802d4a6 (このIDを非表示/違反報告)
おひるねこ▽・w・▽(プロフ) - ふぇみりさん» コメントをありがとうございます。黒狼くんを兄にしたら、色々と面倒をみてくれそうですよね(´ー`)更新頑張ります。 (2016年8月26日 20時) (レス) id: 84eedbd47b (このIDを非表示/違反報告)
ふぇみり - 凄く面白いです!!主人公君が格好いいです。こんなお兄ちゃん欲しい〜って思いました(笑)更新頑張って下さい!!楽しみにしてます!! (2016年8月26日 0時) (レス) id: df741de834 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おひるねこ▽・w・▽ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c1ec8b99301/  
作成日時:2016年2月29日 0時

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