君がいるだけで 4-21 ページ21
数時間後ー
A「………」
スタジオの隅でパソコンを開き作業を進めるA
スタッフ「おつかれさまでしたー」
玲於「おつかれさまです」
A「！」
ラジオ収録が終わったことに気づき
急いでパソコンをしまう
A「…あ、まずい…タクシー…」
玲於「来週もよろしくお願いします、おつかれした」
そう言って先にスタジオを出て行く玲於
A「え…佐野さん、」
急いで荷物をまとめ、スタッフに挨拶をし
玲於の後を追うA
A「佐野さん！すみません、タクシー呼ぶの忘れてしまって…申し訳ないんですが少し待ってもらっても」
玲於「………」
立ち止まることなく
イヤホンをつけ歩き続ける玲於
A「…佐野さん？」
玲於「………」
A「あの…」
AのiPhoneが着信を知らせる
A「…こんな時に誰…」
立ち止まり着信画面を確認するA
A「………」
どんどん離れて行く玲於を見つめ
諦め俯き、通話ボタンを押す
A「…はい」
亜嵐「(おつかれさま)」
A「…………」
亜嵐「(今大丈夫？)」
A「………」
亜嵐「((名前ちゃん？))」
A「…じゃない…」
亜嵐「(え？)」
A「全然大丈夫じゃない」
亜嵐「(あ…ごめん…収録終わった頃かと思って)」
A「ごめん」
亜嵐「(え？)」
A「亜嵐くんとちゃんと話さなきゃいけないのはわかってるんだけど…色んなことが起こりすぎて整理できてなくてだから」
亜嵐「(そっか……俺とは気まずいから？だから玲於の仕事について行った？)」
A「どうしてそんな風に思うの？」
亜嵐「(…結局Aちゃんは自分で気づいてないだけで玲於のことが好きなんだよ)」
A「そんなことない、自分が誰を好きくらい自分が1番わかってる」
亜嵐「(…………ごめん…なんか俺らしくなかった…)」
A「………」
亜嵐「(…お互い落ち着いたら会って話そう)」
A「…うん」
亜嵐「(じゃあ…仕事無理しすぎないように)」
A「うん」
亜嵐「(…それじゃ、また明日ね)」
A「うん、また明日」
電話を切る
A「(ため息)…」
歩きながらアプリを開きタクシーを呼ぶ
玲於「遅すぎなんですけど」
A「！、佐野さん…」
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作者名：mimi | 作成日時：2021年3月2日 23時
