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電話した日の先生は
明らかにいつもと違った。
そして今日は今日で様子がおかしい。
書斎に入る先生を見送り
いつものソファーに腰を下ろすと、
ディスプレイスペースに違和感を覚えた。
なんでかな？と棚に近づき眺めると、
違和感の正体はすぐにわかった。
今まで置いてなかった写真立てがあり、
飾られてたのは男性4人の楽しそうな写真。
その内の2人は加藤先生と祐也さん。
もしかしてこれがお兄さん達かな？
「本当にイケメン4兄弟…」
あの朝、
祐也さんに加藤先生とは兄弟だと聞かされた。
イケメン4人兄弟の末っ子で
祐也さんのすぐ上が先生なのだと。
「シゲが女遊び？あの人見知りが？
多趣味だし、そんな暇あるわけがない！」
とも言われた。
指輪については、
祐也さんが私に気があることを知った後輩が
既婚者なら誰も手を出さないだろうと
思いつきで勝手にやったらしい。
でも、どうして急に写真飾ったんだろう？
「Aさん？」
「はい！」
「ふふ、そんなにビックリしなくても。
それ、俺の兄弟。」
「な、仲良いんですね。」
「まぁ…金髪のそいつとはもう随分
連絡取ってないんだけどね。」
「えっ。そうなんですか！？」
祐也さんはそんな事は言っていなかったので驚いた。
私がつい驚いたせいで、
先生の大きな目が更に大きくなった。
連絡を取ってない理由を知らないので、
知り合いだと言い出せずに、話を逸らした。
「みなさん、イケメンですね。」
「え？…イケメン好きなの？」
「あー、イケメンに越したことはないですよ？」
「この間の展示会来たら、この2人に会えたのに。」
「その節は本当に申し訳ありませんでした。」
「責めてるわけじゃないから。」
「はい。。」
「まぁでも、お詫び兼ねてってことで
泊まりの出張取材付き合ってくれない？」
「もちろんです。」
「じゃあ新幹線取っておいてくれる？」
「はい。あの、宿泊先のご要望はありますか？
あまりお高い宿は難しいですが…」
「宿代は俺が出すから大丈夫。予約もやっとくし。」
「え！？そんな訳にはいきません。」
「俺にボロ屋で泊まれって？」
「いえ！では、私はボロ屋に止まりますので、
場所だけ教えていただけますか？」
「すぐ呼び出せるように、同じホテルじゃないと困る。」
「…あ、では先生、
私はランクの一番低いお部屋でお願いできますか？」
「はいはい。考えとく。
じゃ、そろそろ今日の打ち合わせしようか。」
「はい。お願いします。」
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作者名：ネロリ | 作成日時：2021年5月5日 18時
