mixed race_xx (ページ5)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:12,692 hit

Introducing him. ページ5

_ Your side.

_

　今日はなんだか気分がいい。

　歌い出したくなるような気分というのはきっとこのことを言うのだろうが、俺にはどうやら音楽の才能はないらしいからやめておくとしよう。

　とにかく、何があったでもなく機嫌がいいのだ。

　だから俺の相棒を紹介してやろう。

　なぜって？

　深い意味なんてないさ

　ただ、彼のことを考えるのはそこそこ楽しい。

　わかったら大人しくこの茶番に付き合ってくれ。

　そこの窓辺で、開きっぱなしの本に栞も挟まずうたた寝している彼のこと。
　名前はもう知っているだろう

　俺と同じ年にホグワーツを卒業した獅子寮の監督生でありながら、当時校内で名を馳せていた有名な悪戯グループのメンバーでもある。

　卒業後は不死鳥の騎士団創立メンバーとして第一次魔法戦争を生き抜き、今でもこうして寝食を共にする仲だ

　もしまた戦に身を置くことになっても、背中を預けるのは彼がいい。
　自己肯定感は最底辺のくせして、心理戦には滅法強い上いざって時の判断力も応用力もある。

　彼は場を器用に潜り抜けるのは得意だが、手先は驚くほど不器用だったりする。
　不器用というより、雑。大雑把だ。

　料理はできるのにお菓子作りはできないタイプの、典型的なぶきっちょ。
　気配りだけはセラピストも顔負けだ

　彼はなんでもできる優等生に見せかけて、意外と抜けてるところが多い。
　そういうところが魅力でもあるのだろうが...

　4年生ぐらいのときに急成長が始まり、今では完全に見上げるほどの上背の持ち主だ。

　大抵の人間は狼人間と聞くと、ごつくて毛むくじゃらの大男を思い浮かべるだろう。
　確かに入口の上枠に頭をぶつけそうになるぐらいの大男ではあるが、基本的には物腰の柔らかいお茶目なおじさんだ

　手だって力仕事に向かない華奢な造りをしてるし、
微笑ましいことがあればとっても優しい顔をする。
　それはもう、見てるこっちが擽ったくなるぐらいに優しい顔をするのだ
　つい目を逸らしたくもなる。

　ただ彼は人の目を見るのが好き、というよりは目線を合わせようとする癖がある。
　小首を傾げてみたり、身長があるのに上目遣いをしてみたり、無意識なのかは知らないが彼はそういう可愛いことをする。

　さらに言うなら、可愛いなと思ったそれが全て筒抜けになるから、今度は悪戯な顔で笑うのだ

　ほら、また勝手に人の頭を覗いて...

　「ずいぶん楽しそうなこと考えてるね」

_

_