mixed race_xx (ページ2)

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_ Your side.

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　1982年 10月 31日

　ちょうど一年前の今日

　冷たい風が静かに葉を揺らすこの土地で、ヴォルデモートはジェームズとリリーを殺害した

　ゴドリックの谷の墓地に眠る2人

　本当は合わせる顔なんてなかったんだ

　俺があの場にいれば
　俺が秘密の守人になっていれば

　もうそんなこと、脳が腐るほど考えた

　"最後の敵なる死もまた亡ぼされん"

　墓碑に刻まれた、まだ新しい文字をなぞる

　「"オーキデウス"」

　鳶色の彼は痩せ細った体躯を折り畳んで、墓碑の真下に白い花を添えた

　「....もう、一年になるんだね」

　それに答えるように風が頬を撫でていく

　「ハリーは元気にしてるかな」

　リリーの姉の家に預けられることになった赤ん坊

　「今度、こっそり会いにいってみようか」

　優しい顔で振り返った

　俺は今、どんな顔をしているだろうか

　「A、知ってるかい？」

　ここ数年で随分深みを増した声で、ゆっくりと話し始めた

　「赤ん坊はね、
　産まれて40日の間は目が見えないんだ。

　世界がぼんやりしてるから、
　近くの大人に頼ることでしか生きられない」

　あの子は、目の前で両親が息絶えるところを見ずに済んだのだろうか

　そうだといい

　「何も見えないのに、赤ん坊は笑うんだ。

　周りの大人はそれが愛らしくて、
　その子を助けずにはいられない」

　何を想って笑うのだろうか

　「生存本能の１つなんだよ

　助けてもらわないと生きていけない。
　だから、捨てられないために笑うんだ」

　骨張った弱々しい手が、冷え切って感覚が鈍くなった手を掠めた

　「だからねA

　君は、笑わなくていいんだ」

　細長い指が大して弾力もない頬をぐにぐにと弄ぶ

　「無理に笑わなくたって、

　私はずっと君のそばにいる」

　まだ幼かった"僕"は記憶の片隅で静かに涙を流した

　偽物であっても、誰かの1番が欲しかった

　"俺"の1番はリーマス･J･ルーピン

　他の何より、自分よりも

　彼が幸せであることが俺の幸せだ
　それさえ守れれば他に何もいらない

　ちっぽけな俺の、精一杯の1番を贈る

　「......ありがとう、リーマス」

　「どういたしまして」

　人生をかけた探し物だった

　広い世界でようやく見つけた温度を無くしてしまわないよう、薄い体を腕の中に閉じ込めた

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