112 _errand. ページ29
_ Sirius side.
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突如始まった訓練をなんなくこなし、年の割に衰えを見せない体を讃えながら屋敷に戻る。
ポートキーという名のバケツに足を突っ込んで帰った先は、なんだか賑やかな感じになっていた
物珍しそうに屋敷中を駆けずり回る長身の双子と、巻き込まれたロン、ブチ切れた妹...
あっという間にうちは大家族になった。
本当はここにパーシーっていう魔法省務めの三男もいた筈なんだが、アーサーが言うには、権力に目が眩んでいたから勘当したらしい。
普段はおちゃらけてるように見えるが、やはり大家族の父親をやってるだけあってどこか頼もしい
同じ純血の魔法族でも、信念の在りどころがうちとは雲泥の差だと思った
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ブラック邸探検に巻き込まれていたロンを救出し、
ダイニングでお茶しながらホグワーツでのことを話していた
三大魔法学校対抗試合でのハリーの活躍や、ダンスパーティーで誰と誰が踊ったとか、そんなたわいもない話までを時間の許す限り聞き尽くしていた頃
大きなビニール袋を両手に提げたリーマスが、ポートキーではなく普通に玄関から帰ってきた。
「ただいま。
楽しそうだね、なんの話？」
「学校の思い出話だよ
Aはどうした。一緒じゃないのか？」
「彼ならもう部屋で休んでるよ」
いつのまに帰ってきてたんだ。
リーマスが1人で出掛けてくるなんて、Aは体調でも悪いんだろうか
訓練は普通に受けていたし、何か問題があるような素振りもなかったと思うが...
「その大荷物は？」
「ああ、お使いを頼まれてね。
夕食の分と、こっちはモリーには内緒だ」
肉や野菜が中心の袋と、牛乳に紛れて詰め込まれた大量のアイスやお菓子たちの袋。
珍しくチョコ味以外も満遍なく買ってある。
興味津々で覗き込んでいたロンが訊ねる
「こんなに沢山、どうしたの？」
「君たちの分だよ
もしモリーに怒られそうになったら、
シリウスに貰ったんだって言っておいて。」
「おい。」
「ありがとう！」
何を聞きつけたのか、2人分の足音が近づいてくる
「なんだなんだ？！」
「何やら甘い予感が？！」
タイミングよく双子が滑り込んできた。
「ご両親が帰ってくる前に食べてしまってくれよ？
それと、ジニーもちゃんと呼んでおいで」
リーマスはそう言い残して、2人分のカップアイスを持って部屋を出て行った
そっちが本目的か...
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作者名：yamanarashi | 作成日時：2021年1月10日 19時
