109 _master. ページ26
_ Remus side.
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昔から天才肌だったシリウスは、今でも変わらずその才能を見せつけていた
学生時代はジェームズがいたから多少薄まっていたが、やはり実力は健在だ
揶揄いに来たシリウスを追って、Aがその場で高く跳び上がる
結果的に成功していたが、始めの2mぐらいは明らかに自力でジャンプしていたような...
「おい！雑な飛び方するな！」
「うるさい叩き落とすぞ！」
彼の踏み台になった地面は可哀想なことにヒビが入っている。
果たして君に飛行術は必要なのか
2人に続くように、十分に魔力を纏った状態で軽く地面を蹴り出してみる。
一気に体が軽くなって、思っていたより勢いよく高度を上げてしまった
着地の心配をするよりも先に楽しくなってきてしまって、地面から遠く離れた空中で勢いに身を任せて飛び回った
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日中に集まって、まだそんなに時間も経っていないがほとんど全員が習得と言っていいレベルに到達していた。
休憩にと家の中ではモリーがお茶を振る舞い、熱心な者は未だに訓練を重ねている
Aは後者なようで、シリウスに雑だと言われたのが気に食わないらしい。
あーでもないこーでもないとシリウスに指導を受けながら、私はそれを遠目に見守った
術が発動するとただでさえ白い肌が光に溶け出し、特徴的な紫色の瞳だけがその場で彩度を持って彼を彼たらしめている
身に纏った黒と白が混ざり合って、あまりに人間味が薄く感じられた
まるで絵画の一部のような光景につい見惚れて、シリウスの一言で我に返る
「なにボケッとしてんだ」
「......えっ、...あー、考え事してて...」
「考え事ねぇ...」
シリウスは意地悪そうに笑いながら、私の横を通り過ぎて屋内へと向かっていった
考え事は考え事だ。嘘はついてない
律儀に地上付近でゆっくり離陸する練習をしているAを眺めながら、きっと日光のことも忘れて没頭しているであろう彼をそろそろ呼びに行こうかと思っていたところ
「ッそこ退いて！！！！」
「？.......がッ！！？！」
Aの背中にトンクスが勢いよく突撃していったのが見えた。
大丈夫かな....
「....なにすんだ...。」
「ごめんなさい！ わざとじゃ、」
「重いから退いてくれ...」
「失礼ね！！」
大丈夫そうだ...
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作者名：yamanarashi | 作成日時：2021年1月10日 19時
