100 _avoided. ページ17
_ Remus side.
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ただ見ていることしかできなかった
危機的状況なのは十分理解していたし、自分が足手まといになっていることもわかっていた
杖を構えてはいたものの、瞬間的な判断が鈍ってしまってどうすることもできないまま
肝心な時に使えない自分を情けなく思う暇もなく、次の展開が訪れる
3本の杖と一対の蹄が標的を捉えようと敵意を剥き出しにした刹那を、目だけが勝手に映していた
このまま行けばどれかは確実に目的を達成する
そのどれもが着弾することなく、突如現れた青白い光によって横薙ぎにされていった
『そこまで！！！！』
聞き覚えのあるソノーラスが森中に響き渡る
鼓膜を劈くような鋭い音波に思わず耳を塞いだ
一同が登場した老人に驚きを隠せないなか、シリウスだけはそれを待っていたかのような安堵の表情を浮かべていた
「....ダンブルドア...？」
「...何故、あなたがここにいるのですか」
あまりの事態に皆杖を構えるのも忘れて、真っ白な老人に目を向けた
ここ数分の展開が目まぐるし過ぎて、回転の悪い頭では理解が到底追いつかない
頭がパンクする...
「ミーティングルームとしては、
なかなか良い場所じゃの」
冗談か何かの類なのだろうか
よく場を和ませるためによくわからない冗談を口にする人ではあったが、それにしては雰囲気がいつもより暗い気がする
「どうなることかと思いましたよ。」
「こちらも少々立て込んでおってな
いや、少々どころではないのじゃが」
ダンブルドアの守護霊が姿を消すと、ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる
用があるのは私たちだと思っていたが、どうやらそうでもないらしい
「そこの御仁、ちょいといいかの」
「....彼らを見過ごせと？」
「訳はこれから話そう。
儂の顔に免じて、聞いてくれるかの」
渋々といった様子で魔法省の役人はダンブルドアに連れられ、森の奥の方へと歩いていった
取り残された私たちはどうしたらいいのだろう...
「お前は全部知ってたのか...？」
「何も。ただ捜せってそれだけだ」
「あの人らしいけどさぁ...」
シリウスも何か聞かされていたわけではないようだった。取り敢えず危機的状況は脱したらしい
気が抜けたら頭が重くなってきた
「リーマス、顔赤くないか...？」
Aの冷たい手が額に触れる
もうそのあたりからよく覚えていない
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作者名：yamanarashi | 作成日時：2021年1月10日 19時
