【ワンピース】大切なもの 2 (ページ7)

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［過去編］8 友達ページ7

『はじめまして、新入りさん』

誰…？

男「その子は君と一緒だよ、仲良くしてね」

一緒って

一体なにが一緒なの？

男はそう言うと私を女の子と同じ部屋に入れた後
すぐにいなくなった

何がなんなのかわからないまま私は呆然としていた

『ねぇ、君の名前は？』

私に聞いてるんだよね

貴方「私の名前は((『A！』」

っ？！

なんで私の名前知ってるの？

『合ってるよね？全部聞いたんだ』

『名前も年齢も今までに何があったのかも』

え、なんで知ってるの…

もしかして私の力も

この子は一体

貴方「貴方の名前、聞いていい？」

『私はね、えっと…あれ何だっけ？』

何だろうこの子

『待ってAちゃん今思い出すから』

自分の名前を忘れるなんて

この子は首をかしげて考えている

私は不安になってドアの方を見つめた

さっきの人に来てほしいと思ったからだ

『さっきのお兄ちゃんなら来ないよ』

貴方「え？」

『あのお兄ちゃんは連れてくる担当だから、もう会えないよ』

貴方「連れてくる担当って何？」

『私たちみたいな子供を探して、ここに連れてくるの』

私たちみたいな子…？

貴方「それってどういう意味…？」

それを聞くと女の子はまたニコッと笑った

『聞かないほうが良いかもねー』

一瞬だけ引きつった表情を見せた

ーーーゾクッ

その表情が何故だか私の背筋を凍らせた

貴方「うん、わかった」

私は嫌な予感がしたので聞かなかった

『Aちゃんの話、今度聞かせて…っやっぱりなんでもない』

あまりにも小さな声で発したので最初は聞き取れなかった

『そうだ！名前思い出したよ！』

やっと思い出したんだ

『私の名前はルナだよ、お母さんがつけてくれたんだよ！』

貴「そうなんだ、よろしくルナちゃん」

そう言うとルナちゃんは私が見た中で一番の笑顔を見せた

ルナ「今日から友達だね！Aちゃん！」

っ！！

友達なんて今までいなかった

初めての友達だった

貴方「うん！友達だねルナちゃん！」

ーーその日、私に友達ができた

大切なものができた

大切な存在だった父を無くし

島の人を無くした

でも、やっと

…大切なものが手に入りそうになったんだ

その日の私は明日から何が始まるか考えもせずただただルナちゃんと笑いあって過ごした

〝幸せだった″