【ワンピース】大切なもの 2 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,360 hit

［過去編］7 埋め込まれた憎しみページ6

貴方「私の力が必要…なの…？」

本当に私が必要？

『そうさ、君にしか出来ないことだ

君だけが必要なんだ』

私にしか出来ないこと

貴方「私はまだ生きていても良いの？」

『当たり前さ』

貴方「大切な人を傷つけたのに？」

『あれは君の力が暴走しただけだ、君は悪くない』

貴方「でも私がやった事には変わりない」

そう言うと男はニコリと笑った

『私と一緒に来るなら、もうあんな思いはしなくて済むよ』

『君はもう、大切なものを失わないですむんだ』

2度と大切なものを失いたくない

あんな思いはもう嫌だ

独りは嫌だ

『私と一緒に来るかい？』

私は静かに立ち上がり

首を縦に振った

それが何を意味しているかはまだわからなかった

でも、これで独りじゃない

これ以上失わない

この人について行けば…

私はその男に黙ってついていった

『君の名前はAであっているよね？』

貴方「うん」

男は何かにメモをしている

それは分厚くて本のようなもの

何をしてるかわからない

けど、どうでも良かった

『君のお父さんは？』

ドクン

貴方「父さんは…」

『君を裏切った？』

裏切って海に出た

貴方「父さんは私を裏切った」

『そうか、海賊だから？』

父さんは海賊だ

貴方「海賊の父さんは私を裏切った」

『君は海賊が嫌い？』

私は海賊が…

父さんが…

貴方「嫌い…大嫌い！！」

私の中には父さんへの憎しみしかなかった

全てが父さんのせい

私は何も悪くない

『そうか、わかった』

また男はニコリと笑った

私はこの人が言ったことは全て正しいと思った

これからもこの人が正しいと

それから私は大きな船に乗り込んだ

着いた所は何かの研究施設のような所だった

そこには1人の少女がいた

私と同じ歳ぐらいの子だ

『はじめまして、新入りさん』

光のない目で笑った