ローシュ.*･ﾟたとえばそれを嘘と言うのなら ページ1
「ねぇ、神話の時代に封印されて、今さらこんな時に封印をとかれて……やっぱり悲しい？」
「封印されたほうがましだったよ」
薄く口角をあげ、色っぽい笑みをつくる。…いや？イレブンが随分唐突な質問をしてきたなぁと思ってね。
「それはどういうことだ？」
「ふぅん…ストレートな質問だね。そういう真面目な人は好きだよ」
「む!!?…す……好きぃ！？」
グレイグは騎士道に励んでいたそうで、女慣れしていないみたいなんだ。私はね、そんなウブな人の反応が楽しくて大好きなんだ！
「あはは！」
「A様は本の通りのお方ですね！お姉さま！」
「そ、そうね」
みんなが反応に困るのも仕方あるまい。
「私は誰にでもこういう性格なんだよ」
男女たらし、毒舌。
＿＿これは私がみんなによく言われた言葉だ。
「まぁまぁ茶番はここまでとして、イレブン君。質問にお答えするよ」
私は口角をあげた。口角をあげるのは昔からの癖で、特に行動に意味は無い。
「＿＿私には、何も残っていないからだよ。ふふっ。さて、ちょっと長い昔話でもしようか」
'
'
'
'
「なぁ……A。もしニズゼルファとの戦いで俺が死んだら、お前はどうする？」
「涙を枯らすまで泣いてあげるよ！大好きなローシュのためさ」
「…………そうか」
隣で寝ているローシュの頬に涙が伝い、彼は静かに私に背を向けた。
「……はっ！？」
私は上半身を起こして、彼の背中をゆさゆさと揺さぶった。すると、彼は小さな声でこう言った。
「幼い頃からずっと、お前のことが………」
「うん、なんだい？」
「……好きだったんだ。誰よりも愛してる」
「そっかそっか。うれしいよ、ありが……」
私が言葉を紡ぎ終わる前に、彼は言葉を発した。
「お前は誰にだって好き好き言う奴だ。そんな奴のことなんか好きになったら、結局嫉妬するのは俺の方だって昔からわかってたのに……そう思った途端、俺はどうしてもお前のことを好きにならずにはいられなかった」
だけど、と。
ローシュはゆっくりとこちらを振り返った。
「一度だけでいいから、抱かせてほしい。それでもうお前のことは諦められる…」
「へぇ…それが君の導き出した答えかい？」
冷たい風が私たちの間を吹き抜ける…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
)あいにゃん((プロフ) - 青羽音さん» あっこちらにもコメントわざわざありがとうございます！頑張ります(・ω・) (2017年8月14日 1時) (
レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
青羽音 - こんばんは。もうひとつの小説も拝見させていただきました。なんというか、こういう書き方がすごく好きです。どちらも頑張ってください。。 (2017年8月14日 1時) (レス) id: 18926d84c6 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - みかんのかわ(ﾟ∀ﾟゞ)さん» コメントありがとうございます( *´艸`) そう言っていただけると嬉しいです！みかんのかわさんもご自身の小説頑張ってください(*´-`) (2017年8月13日 18時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
みかんのかわ(ﾟ∀ﾟゞ)(プロフ) - とまとじゅーすのやつ最高ですwwwこれからも楽しみにしてます。更新頑張って下さい(ﾟ∀ﾟゞ) (2017年8月13日 17時) (レス) id: 312b0d2949 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：)あいにゃん( | 作成日時：2017年8月11日 3時
