9人暮らし！～毎日が非日常～ (ページ48)

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光side

慧「ただいまぁ、」

受験生の慧は元々部活もしてなかったけど、

最近は輪をかけて帰りが早い。

それから直ぐに部屋に上がって、

今度はピアノの練習の鞄を持って家を出ていく。

イキイキとしてる。

目が輝いてる。

強請られて最近は日数を増やした練習日。

家でもいつもピアノの音が響いてて、

明らかに感情が溢れてるその音で、

裕翔が踊ったり、

圭人が泣いたり、

雄也が傍で眠りについたり、

綺麗な日常の姿がそこに生まれる。

大「たっだいまー！！」

珍しく慧と入れ替わりで帰ってきた大貴は、

普段はサッカー部で暴れてる、らしい。

日々楽しそうで、こっちまで笑顔になる。

大切な息子だよ、って言葉で伝える代わりに、

どこでつけてきたのか頭に絡まった葉っぱを払ってやる。

照れくさそうに鼻を擦って笑う大貴。

「部活は？」

大「んー、今日は休み！」

ちょっとだけ上手く自主的に休めるようになった大貴。

直ぐに帰宅部の裕翔と圭人も帰ってきて、

どこで見つけてきたのか桜の蕾を持っている。

「もうすぐ春かぁ…、」

圭「似合うよ、ママ、」

裕「こっち向いて！写真撮る！」

この年で早速フェミニストな圭人に抱きついて、

裕翔も巻き込んでスリーショット。

直ぐに大貴か飛び込んできて、

玄関でみんなもつれ合った。

リビングから涼介と侑李も出てきて、

侑李の方はすっかり呆れ顔で見てくるから、

おかしくなって、

私は声を上げて笑っていた。