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光side
侑「涼介、行くよ！！」
涼「分かってる！」
小学生組は登校班で時間厳守だから、
最後になって慌ててる。
朝のEテレは面白い番組が多いし、
夢中になって時間を忘れるのも、
仕方ないとは思うけど。
それに、今日は慧が早く出ていったから、
時間があると思って油断してたんでしょ。
母親は何でも分かるんです(笑)
涼「侑李、俺、ダサくない？平気？」
侑「そんな気にしなくていいよ。涼介は顔はいいんだから、どんなにダサくても平気だって。ほら、行くよ！」
時折毒舌なうちの末っ子。
可愛いんだから、もうちょっとおしとやかにすればいいのに、なんてね。
涼「いってきまーす！ちょ、侑李！待ってってば！！」
先に歩き出している侑李と、
慌てて追いかける涼介は、
我が儘お姫様と、振り回される従者の構図。
でも、侑李だってちゃんと、
涼介のこと大好きなのは知ってるからな。
ほら、今だって、
涼介が追い付けるように、
然り気無く歩くのをゆっくりにしてる。
「可愛いなぁ、」
ほら、結局二人で手なんか繋いじゃって。
宏「あいつらも可愛いけど、俺は光の方が可愛いと思うなー。」
「うっわ、びっくりした。」
突然背後からかかってきた声に、
慌てて振り向くと、
宏太が立っていた。
「あれ、雄也は？」
同じ大学だからって、
バイクに2ケツしたり、
宏太の車に乗ってったり、
よく一緒に大学に行ったり、
帰りも一緒に帰ってきたりしてるのに。
雄也が時間割り的に一日休みの水曜日は、
宏太一人だけど。
宏「あー、さっきなんか変だったから、熱測ったんだよね。そしたら、7度5分あってさ、」
「あらら、疲れが出たかな、」
宏「多分な、介護系は特に重労働だし。」
相変わらず、雄也に関しては私よりもよく見てる宏太。
雄也も、雄也でめちゃくちゃお父さんっ子だし。
あ、でも、宏太に言わせれば、
雄也はすごいママっ子だって話だけど。
宏「じゃ、行ってくるわ。午後は講義入ってないから、早めに帰れるはず。」
「いってらっしゃい、」
あっという間に走り去っていく車。
日差しが眩しくて、
さっさと逃げ込んだ玄関で、
サンダルを脱ぎながら、
ふと、マヨネーズを買ってきてくれ、と、
伝え忘れたことに気がついて、
LINEを入れておく。
運転中は見れないだろうから、
返信は待たずにそのままスマホはポケットに。
そして、ソファに沈みこんでる雄也の元へ。
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作者名：KEI x他1人 | 作成日時：2020年9月4日 0時
