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花火20 ページ20

-1年後、夏-


蓮side



あの後、ひかる君は、

いかにも旅立ちの日、みたいな

秋晴れの日に、日本をたった。


予定より、半年も早めて行ったらしい。



その日から月日が流れて、次の夏がきた今、


大「やべ、これ来週までの書類だわ。今やっとかないとー。」


大介は、社会人になって、
日本で楽しそうに、仕事してる。


家族全員の反対を押し切って、一人暮らしまで始めた。


金曜日は残業してて、月1くらいで休日出勤してて、
時々、しかめっ面で帰ってきたりするけど、笑

ちゃんと、ご飯も食べている。


黒のスーツ姿いいなぁって思ったり、

でも、グレーのやつも、白っぽいやつも、

今日の、シャツだけの姿も、いいんだよな....//



離れてるはずなのに、
なんで、こんなに詳しいかというと。


大「ねぇ、お前さぁ、なんで週末になるたびに、俺のマンション来るのよ。」


蓮「1人暮らし、大丈夫か心配だから。」


大「その割には、ごはん全部食べきって、冷蔵庫空にして帰っていくよね?ごはん目当てでしょ!」


蓮「母ちゃんのより、大介のオムライスの方が上手いもん。」

大「すいませんね、オムライスくらいしか作れなくて。」

蓮「おかわり!」

大「自分でやれ!」


俺は、サークルとゼミの飲み会を断って、
今日も、大介の部屋に来ている。







大介side


俺は、社会人になって、最近では一人暮らしも始めた。

1回だけ寝坊して遅刻しかけたけど、

仕事にも慣れてきて、楽しい。




そして、蓮は大学生になった。

あの時、おんぶされながら、
蓮の告白を、俺が聞いていたこと、今でもこいつは知らない。

蓮の中では、
俺が、あの日に『まだ言わないで』って、言ったままだから、
告白を事前に阻止されちゃってる状態。


普通ならそろそろ俺から離れていくはず。


その方が、こいつにとってはいいから。

だって...こんなに辛い道、選ばなくても。


自然に、俺から卒業していけるように、

距離をとる努力をしてきた。

一人暮らしを初めてからは、

実家にも1度も帰ってない。



なんだけど...こいつは…


........今も目の前で、俺のつくったオムライスを食べている。



蓮「ケチャップなくなっちゃったね、明日買ってくるわ。」


大「いいよ、蓮が買わなくても。」


毎週末、電車に乗って、

わざわざ一人暮らしの部屋までやってくる。


毎週だよ?

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作者名:Aries | 作成日時:2021年8月21日 20時

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