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花火18 ページ18

蓮side(続き)



浴衣の襟を直してあげようとしたら、
ちらっと見えた、ネックレス。


蓮「ぇ、...ひかる君とデートだったのに、今日も、
それ、つけてたんだ、」


俺が中学のとき、有り金、全部使って、
プレゼントしたネックレス。



大「うん、これしかつけないって、決めてるの。」



蓮「...それって、」



大「俺の、一番の宝物。」







蓮「.......大介、」


大「まだ言わないで、お願い、

ひかるのことも、ちゃんと考えたいから、」



蓮「....」



大「もう少し、待ってほしい、」





雨で、花火が一時中止になっているらしい。


2人とも黙ったまま、ずいぶん時間が過ぎていた。









大「おっきくなったよね、蓮。

ちっちゃいときは、

手も足も、超ちっちゃくてさ。

いっつも俺の後ろにくっついてきて、


可愛かったな、」






大介は、知ってた。

俺の気持ちを。


俺がツンツンしてても、
構ってきてたの、
そういうことかぁ...


高校入ってからは、出来るだけ距離とって、分からなくさせてた、つもりなのにな。





大「昔は、俺がおんぶしてたんだよ?

花火の日も。...お前が、途中で寝ちゃうから....、

去年はぁ、お前....一言もしゃべってくれないし....さみしかったぁ......」



蓮「....うん.....」




サー(雨が続く)



泣き疲れて、俺の肩に寄りかかって、

寝てしまった大介。





蓮「...全部覚えてるよ...、


毎年、楽しかったな。

大介は、ヨーヨーとるの下手でさぁ、笑

毎回俺が、とってあげてた。


おっきくなってからも、


2人でいても、

大介のこと好きでいても、


この日だけは、

許されるような気がして。


...だから、特別な日。」



大「すー、」


蓮「去年は、喧嘩した日の翌日だったもんね、

2人とも、一言も喋らないまま、
2時間ずっと花火見てさ。笑

無言で屋台で飯食って、一緒に帰って。


...でも、俺が喋らなかったのは、

大介とひかる君が2人で過ごす時間、
どんどん増えてたから、

いつか、俺の前から大介がいなくなる日が来るって思って、覚悟した日だったから。

それまでに、ちゃんと諦められるようにしようって。
好きなの、やめようって、決意してたの。

...さすがにそこまでは、分からなかったでしょ?」



大「...すー、」



蓮「でも、無理だったんだ、

...好きなの、やめるなんて。」

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作者名:Aries | 作成日時:2021年8月21日 20時

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