Same Sky ≪設定もの中編≫

The One 28 ページ44

黒「研修中に見つかった、俺の夢は、

佐久間さんのそばにいて、

佐久間さんが見てる夢を、

一緒に実現させること、です。


でも、佐久間さんとは離れ離れだから...

俺の夢は、叶いませんでした。」



桃「....俺ね？どうしても、お前を裏切れないと思って、昨日のうちに電話して、
これから、人事部長と会うアポイントいれてあるの。」


黒「....それって？！」


桃「俺も、お前とやってみたい、一緒に。あんなに頑張って作った事業案、
許可出るかは、分かんないけど、」



パァ...✨

目が輝き始める目黒。


桃「交渉してみる。」

黒「一緒に行きます、」

桃「うん」



黒「佐久間さん...、もし許してもらって、
一緒の部署になったら、」


桃「？」


黒「その時、言わせて下さい。」

桃「何て？」


黒「俺の夢は、
佐久間さんがリーダーになった新しい部署で、
佐久間さんが見ている夢を、
一緒に実現させることです。

だから、まずは、
明日からも、佐久間さんを、支えます。

たくさん大変なことが降りかかってくるだろうから、守ります。


そして、いつか、もう一度言わせて下さい。


好きですって。


俺にとっては、

初恋で、


最後の人だって、言わせてください！！」








桃「....全部、言っちゃってる！！」


黒「あああ！ここまでは言うつもりなかったのに...

まだ、振らないで下さい、明日からの仕事のモチベーションに関係してくるんで。

なんたって、俺にとっては、3回分なんです。

報われない初恋、続行中です。」




桃「.....だからお前さあ、何で振られる前提なのよ、」


黒「振られないんですか？！」


桃「よし、

俺も、同じ事業部になったら、
その時はこう言うわ。

立ち上げた部署が軌道にのったら、
その頃には、俺の良いところも悪いところも
いっぱい見てると思う。

組織で結果を出すために、
うるさく言っちゃうことも、たくさんあると思う！


それでも、まだ俺のこと、好きだったら、


その時は、」



黒「その時は？」



桃「お前の初恋、3回分、

俺がもらってあげる！！」



黒「.....っ、よっしゃあああああ！！！」


桃「声でかあ！」


黒「絶対ですからね？ね？嘘つかないでくださいよ！」


そして、2人で強面の人事部長を説得して、事業を立ち上げられることになった。

だけど、最初はスタッフも足りないし、設備投資にお金もかかったし、
黒字化させて、軌道に乗せるまでに、2年もかかってしまった、というわけ。

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