めめさく短編2 (ページ48)

今日:15 hit、昨日:6 hit、合計:176,337 hit

年上の恋人＊前編＊4 ページ48

目黒side続き

佐久間くんの細くなった足を撫でながら、
明日、ちゃんと朝ご飯食べさせてから行かなきゃって、冷蔵庫の中にあったものを思い出していた。

黒「もっと、ちゃんと食べた方がいいし、あと、痛み止め飲むとき、
　おなか痛くならないように、何か食べたあとに飲んだ方がいいから、」

桃「...あぁ、そっか、」

黒「今日の昼、空きっ腹で薬飲んでたでしょ？おれ、見逃さなかったから。あと、」

桃「......ねぇ、めめ。....落ち着いて聞いてね。......明日からも、まだ3日間ライブあるから、
　お前が自分のことに集中できるように.....俺、しばらく実家帰るわ。」

黒「....はあ？」

桃「お前、俺がいると、俺の心配しちゃうでしょ。俺の足は大丈夫だし、
　捻挫なんて、初めてじゃないから。
　お前は、ライブ期間中、自分のことだけ考えな。」

黒「....ここに帰ってこない、ってこと？」

桃「うん、ライブ期間中だけね。お前といたら、俺も甘えちゃいそうだから。
　それに、夜ずっと一緒にたら、その流れでライブ中もそばにいっちゃいそうだし。
　しばらく離れて....お互い、ライブに集中しよう。」

黒「.....うそでしょ、付き合ってから、そんなこと言うの初めてじゃん。.」

桃「もっかい言うけど、俺は大丈夫だから。お前もがんばれ。」

黒「.....佐久間くん、」

桃「俺、今日もう行くね、この後、いちゃついたら、明日にひびきそうだし、」

黒「いやいや、怪我してる彼女襲ったりしないよ。」

桃「どうだか？」

黒「しないって。」

桃「じゃね、めめ。オーラス終わったら、戻ってくるから。」

黒「.....ほんとに行くの？俺、心配なんだけど、」

桃「あ、1曲目、俺の頭撫でちゃいそうなら、最初からグータッチにしない？
　男らしい感じなら、触ってても違和感ないと思うから。腕クロスでもいいし。」

黒「....それ、いま言う？」

元々準備してたかのような手際の良さで服をつめると、
颯爽と、スーツケース片手に、出て行ってしまった。

まじかよ。...俺、何にも役に立ててないんだ。

頼りにされてないんだ......。

呆然として、佐久間くんが出て行ってしまった玄関で、

俺は、しばらく立ち尽くしていた。

前編end

(下のボタンから、中編へどうぞ)