めめさく短編2 (ページ1)

今日:33 hit、昨日:22 hit、合計:176,265 hit

効果的な告白。(学パロ) ページ1

『効果的な告白。』＊全員高校生、同学年設定

目黒side

今日も、また、だ。
佐久間くんは、机に向かって、一生懸命。
パステルカラーの可愛い便箋に、
うんうん唸りながら、文字を書いて、
すぐに消してを繰り返してる。

たぶん、ラブレター。

いいな、佐久間くんから、ラブレターもらえる人がいるんだ。

ここは男子校。
一際目立つ、華奢で綺麗な佐久間くん。

口に出さないだけで、みんな一度は
佐久間くんを好きになって、諦める。

『あいつ、好きな人いるらしいよ。』
なんて、どっからか出てくる、
不確かな噂に惑わされて。

いいなぁ、ラブレターもらえる人。

-翌日-

また、だ。
納得のいく文章ができないからか、
今日もまた、昨日とは違う色の便箋に、
一生懸命文字を書いてる。

漢字、苦手なのかも。分かんないのかも。
少し心配になって、覗き込もうとして、
やめた。
誰宛なのか分かったら、ショック受けるから。

-翌日-

やっぱり、今日もだ。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。
ぐちゃぐちゃに丸めた便箋を、ゴミ箱に捨てて、
また書いて、また丸めて、ゴミ箱に捨てた。

手伝ってあげたいけど、できない。
だって、佐久間くんを手に入れる男のために、手を貸す義理はない。

ごめんね？佐久間くん。
見てて辛くなってきたけど、俺は、
こればっかりは、手伝えない。

-翌日-

今日は、ピンク色の便箋。
1つ確定したことがあった。
それは、彼が頑張って書いているのが、
俺の予想通りにラブレターだった、ということ。

『が、好きです。』

見えてしまった。一生懸命に、
好きです、って書いてる佐久間くんが、
なんかもう可愛くなってきて。

明日から、手伝ってあげようと、決めた。

-翌日-

今日は、宿題全部やってなくて、
5教科の先生全員に叱られた。

いいの、それどこじゃなかったの。

効果的なラブレターの書き方とか、
可愛く見える文章の作り方、なんてのを、
夜通し調べてたんだから。
使えそうな例文を、10枚くらい印刷してきた。
佐久間くん、まだかな？

その日は、珍しく、佐久間くんが
教室に戻ってこない。

いつもなら、この時間は、
書いては丸めて捨てて、
書いては丸めて捨てての無限ループに入る時間だ。

なんで？

もしかして.....。