めめさく短編 (ページ39)

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mutual pining ＊両片想い②＊ページ39

前回のmutual pining ＊両片想い＊とは、繋がってなくて、
2パターン目という感じで、独立したお話です。

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収録が終わり、
急いで、後ろを追いかける。

ごめんね、

見られたくないことは、分かってるけど、

やっぱり俺の足は、
佐久間くんのいる方に向かってしまう。

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目黒side

本番が終わった。

やり切った達成感、そんな雰囲気が
メンバーを包んでいた。

出番前よりも、
表情が柔らかくなった、みんな。

でも俺は、気づいていた。
佐久間くんは、この後、輪から抜けて、
1人になるだろうって。

みんなが楽屋に戻っていく中、
彼は別の道にそれて、姿を消した。

スタジオの入ったこのビルには、
入り組んだ通路や十字路がたくさんある。
使われていない部屋も、出口も。

だけど、
彼のことだけは、すぐに分かってしまう。

楽屋とは別の階の、
非常階段につながる扉を開けると、

衣装のままの、
華奢な背中が丸まっていた。

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佐久間side

1人になりたくて、少しだけ。

俺は、みんなの期待に、応えられただろうか。

もっと、できたはず。

悔しくて。

非常階段の隅、コンクリートの壁。
外からも見えないし、
誰も通らない。

こんなとこで、1人で泣いてても、
絶対見つからないから、大丈夫。

ガチャ

「...佐久間くん.....」

うそでしょ。

今、誰にも見られたくない。

いや、お前には一番見られたくない。

俺のこと、尊敬してるって、言ってくれてたのに。

こんなところ。

俺の横に座って、

何も言わない、めめ。

俺のこと、何で、いつも分かるんだろう。

ほっといて？って言いたいのに、

彼がそばにくると、言えない。

顔を上げられずにいると、

「着替えの服とタオル、持ってくるわ。」

そう告げて、

めめは扉から出て行った。