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春の風 2 ページ3

「佐久間くん?どう?」

「ん?俺まじで寝ちゃってた?」

「今37.4度。たぶん今晩上がると思う、熱。」

「まじかよ、いや、大丈夫よ?平熱の範囲でしょ。」


めめが何か言おうとした時、

「さくまぁ!みんな疲れてるから、休憩時間伸ばすってー!」

向こうの方から、あべちゃんが、
叫んで教えてくれた

「今日、帰った方がいい、まじで。」

何でそんな過保護なのよ

「今日は、さっき撮らせてもらった、
 佐久間くんのダンスビデオ見ながら
 練習するから。」

あ、その手があったか

教えなきゃ、と使命感に燃えてたけど、

代替案を出されて、
納得し始める、単純な俺

俺がいない間も、先に進められるなら、
それなら、

「で、俺らも3時間くらい頑張ったら、
 佐久間くん家行くから。

 今日は練習、早めに切り上げることに
 なったから。」

「じゃ、振りを固めるのは、明日?」

「そ、だから、心配しないで、

 ......無理しないで。」


なんか、俺の方が先輩なのに、
こんなふうにテキパキ動いて
フォローしてもらってしまうと、
面食らう

ありがとう、って、
甘えることしかできなくなって

「え、待って、俺んち来るの?
 来なくていい、来なくていい。」

なぜか、めめの中では、
行くと決まってしまってるみたいで。

「栄養のあるもの、たくさん買っていくから。」

「いいよ、一人で大丈夫だから俺。」

「いや、行くから。」

「佐久間くん?俺もいくでー。」

遠くから、俺に手を振るこーじ

その声で、練習場にいたみんなが
顔を上げる

「何か出来ることあったら、言え!」
とか、頼もしい言葉がとんでくる


お言葉に甘えて、
久しぶりに
こんなに早い時間に練習場を出た

そっか、
冬だと思ってたけど、

もう春なんだな


春の匂い、俺の好きな匂い


風が吹いて、
タンポポが揺れてる

ふわふわと、
飛び出した綿毛を見送って、


いつも、ありがとう、って


今離れたばかりの
みんなのことを想った


end

My eternal unrequited love→←春の風



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作者名:Aries | 作成日時:2020年4月17日 0時

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