とある同部屋の夜 ページ13
ん......？あれ？
-深夜2:30-
覚醒していない、ぼんやりした頭。
昨日は、確か.....
ツアーが無事終了して、
みんなでご飯食べて、
ホテルの部屋割を決めるじゃんけんをして、
それで、それで.....
そうじゃん！！！
俺、佐久間くんと同部屋になったんじゃん。
で......
何かの手違いで、
俺らの部屋だけ、そう。
ダブルベッドだったのである。
妙な緊張感があって、
しばらく寝れなくて。
でも、隣の佐久間くんは、
秒で寝てて。
なんかちょっと寂しかった。
少し話したかったなって。
で、肝心の、隣で寝ていたはずの、
佐久間くんが、いない。
覚醒した。
佐久間くんがいない。
慌てて飛び起きると、
部屋の中を、全部見たけど、
いない。
やばい、何か怖くなってきた。
上着もあるし、携帯もある。
ないのは.....
あ、靴だわ。
ホテルの備え付けのパジャマに、
上着だけ羽織り、
携帯をつかんで、飛び出した。
「佐久間くん？」
「佐久間くん？」
この階には見当たらず、
彼の行きそうなところを考える。
飲み物とか？
一通り見まわった後、
エレベーターで元居た階に降りると、
いた......
エレベーターの扉が開いて、
すぐ見えるソファーで、
眠ってる、彼。
座ったままだから、首、痛そう。
手には水のペットボトル。
飲む前に力尽きたのか、未開封で。
はぁ、誰かに見られたら、どーすんの。
連れて帰るのに、
抱っこかおんぶかを、真剣に悩んでいたら、
彼が身じろぎをした。
「う？あ、寝てた.....
え、めめも買いにきたのぉ？」
「佐久間くん探して来たの。」
「へ、おれぇ？何で？」
「何でって、心配だからに決まってんでしょ、
起きたらいなくて....まじで、焦った。」
「へへっ、めめ、ごめんね？」
「抱っこかおんぶ、どっちにする？」
「へぇ？いらない、あるくぅ。」
「立てんの？」
「立てる、立てる、立て.......ない。」
「ほら、乗って？」
とある同部屋の夜 2→←mutual pining ＊両片想い＊2 (佐久間side)
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作者名：Aries | 作成日時：2020年4月17日 0時
