めめさく短編 (ページ2)

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春の風ページ2

いつもありがとう

練習場の扉を開けると、
春の匂いがした

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筋肉痛が少し気になって、
壁際の長椅子に座った

休憩時間、ちょっとだけ眠ろ
すぐ、復活するはず

目をつぶって、うとうとしていたら

俺に近づいてくる、優しい足音

ふわっと、俺の肩に何かをかけると、
そのまま隣に座った

6人時代は、俺が、
ちょっと1人にして、ってモードに入れば、
みんな、ほっといてくれたの

その距離感が心地良くて。
だって俺も大人なんだし

3人が入って、少し変わってきた

今も隣に座るこいつ

輪から外れた俺のそばにきて、
何かとおせっかいをやきだかるのは、
こーじか、めめ。

そんなことに、俺も気づき始めたの

今日はどっちだろ？

肩にかけられたのは、たぶんジャージの上

2人とも俺よりでかいから、
どっちのか、分からないけど、

次の動きで、
すぐに分かった

慌てて目を開けると、

俺の手のひらをさする、めめ。

やっぱこいつか

「ごめん、起こしちゃった？」

そりゃあ、

突然手を触られたら、
誰だって驚くでしょ

驚いたまま、めめを見てたら、
いつも自信家なめめが、

不安そうに言った

「佐久間くん、もう今日帰った方がいいよ？」

はあ？俺を誰だと思ってんの

今日は深夜まで
ダンスの振りを固めるの

特に、お前とこーじに関しては、
俺からの猛特訓が必要なんだから

何言ってんの？って言おうとしたら、
次は、ほっぺたを触られた

何よこれ

俺、一応先輩なんだぞ

「うん、体温計持ってくるから。」

何の”うん” なのよ

筋肉痛や関節痛がやっぱり痛くて、
少しぼーっとして、
もう一度目をつぶると、

今度はジャージの上から、
ブランケットをかけられた

だから、こんなにしてくれる人なんて
今までいなかったの

だから、正直戸惑ってる

俺は全然ヘーキだし、
今日は遅くまでだから、
仮眠くらいのつもりで

でも、こーじやめめは、
普段から、俺が休憩に入ると、

休憩中も、ちょこまかと、
俺の周りにいる。

ふふっ、可愛いんだから

俺のこと、超好きかよ

そんなことを思いながら、
壁に寄りかかって、
意識を手放した