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私は新しい煙草を一本咥え、あえて彼の方を見ないようにしてライターをカチカチと鳴らしてから火をつけた。
その直後、2m前の向かいから咽せる声が聞こえてきてフッと笑みが溢れた。
ちゃんと火ついたんだ。
ちらっと彼を見ると彼も私を見ていて、今まで一方的に見ていた彼と初めて目が合った。
それからは、どちらともなく目を逸らし、私は彼がひたすら咽せるのに気づかないふり(というより気づいていても構わないでいてあげた)をして、喫煙所を出た。
話しかけたかったけれど、彼とはまた近々会えるような気がするからその時でいい。
家は近いし、なんの縁か知らないけどこの駅も喫煙所も利用するようだから、きっとまた会うだろう。
私は言い表せない静かな喜びを胸に、帰路に着いた。
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ねこもちのいえ(プロフ) - SALANさん» はい、大丈夫です。こちらこそいきなりすみませんでした (2022年2月23日 19時) (レス) id: 3aa14b70c5 (このIDを非表示/違反報告)
SALAN(プロフ) - ねこもちのいえさん» 教えてくださりありがとうございます。消えてますでしょうか? (2022年2月23日 18時) (レス) id: 891eb2b6e4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもちのいえ(プロフ) - オリフラ立ってますよ (2022年2月23日 14時) (レス) @page20 id: 3aa14b70c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SALAN | 作成日時:2022年2月17日 22時