シガーキスはあなたと

8 ページ8

昔のことを思い出しながら一本目を吸い終わる頃、喫煙所内がスーッと寒くなり扉が開いたのだと気づいた。


そして、入ってきた人物を見て目を疑った。


小さい頭に彫刻のような綺麗な顔、やや褐色で健康そうな肌の色。
絶対にあのお向かいさんだ！！！

うわっ、近くで見てもやっぱり背が高い、おそらく180は余裕で超えていそう...

え、でもなんでここに？
うちの最寄りじゃないよね？
ていうか彼は煙草を吸うんだ！！？


頭に「？」がいっぱい浮かびつつ、彼を観察する。
距離にして2mくらい、バレないようになんて無理だ。


だが彼は煙草の箱のフィルムを剥がして箱を落としたり......
ぎゅうぎゅうに詰まった本体を一本取り出すのに手間取ったり......
思いのほか火の勢いが強いライターに「ぉお、」っと驚いたり......

私の視線に気づく様子はない。

しまいには煙草を口に咥えもせず先端に火をつけようとしている。



......この人初心者か？？

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す