シガーキスはあなたと

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ミョンホは誰かに告白されれば基本的に断ることはせず、ある程度の清潔感と女性らしささえあれば、顔も性格まさまざまな女性と付き合っては別れを繰り返していた。


彼の名誉のために言うと、彼は決してプレイボーイではなく誠実だ。

しかし、告白して付き合った女性たちは数ヶ月で「本当は私のこと好きじゃないでしょう？」と言って別れを切り出すのだと言う。

そして私は、その原因は自分なのだと思う。


彼女がいてもいなくても、彼は私によく構ってきて、仕事やプライベートを共有する仲だった。

幼馴染でも、学校が同じだったわけでもない、入社してからの「同期＝友達」としての付き合い。


もしかして私のこと好きなのか？と思った時期はあったが、どうやら違ったらしい。


1年ほど前に、私が大学生の頃から付き合っていた彼氏と別れた時のこと。
当時営業成績も伸び悩んで自棄になってた私を、「気晴らしに」と夜の海にドライブに連れ出してくれた。

どれだけ泣いたんだっけ？
気づけば向こうの空が明るくなる時分までさめざめと泣く私を、運転席から手を伸ばして抱きしめてくれた。


「彼女が心配するよ」と言うと
「大丈夫、今はAが大事」と言われた。

私は彼と別れたばかりなのに、ミョンホに優しくされて嬉しくて仕方がない、ぐちゃぐちゃな感情になった。


『友達以上恋人未満』という関係があれからの私たちに完全に当てはまる。

もし彼が私を好きなら、その時の弱っている私には付け入る隙がいくらでもあっただろう。

でも彼はそうしなかった。


あの日、ミョンホに淡い恋心が芽生えてからずっと、その関係がもどかしい。

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