33 ページ33
ユン先輩と別れ、
「なんかあった時のために」って教えられていた住所に向かう。
体調悪いって、どこがどう悪いんだろ?
頭痛い、お腹痛い、吐き気......
熱はあるのかな?
こういう時、お粥とか煮麺とか作ってあげられる女性でありたかったな。
料理できない自分を恨みつつ、ミョンホの最寄り駅からマンションまでの道にドラッグストア兼コンビニを見つけて入る。
フルーツゼリー、プリン、レトルトの煮麺とお粥、栄養ドリンク、経口補水液と冷却シート、看病で泊まることになった場合に備えて下着もカゴに入れてセルフレジに向かう。
よく知った香りが鼻を掠めたかと思うと、目の前にはお会計をしようとするミョンホがいた。
一度家に帰って寝てたのだろう。
ゆるっとしたスウェットの上にダウンを着込み、眼鏡で、髪は緩いパーマが無造作に崩れて......
普段のビシッとしてる彼とは全然違って、急に守ってあげたいと思った。
「私が買うよ」
後ろからカゴを滑り込ませると、こちらを見て目を丸くする彼。
「なんでいるの?」
「ソクミンに聞いたから」
ミョンホが持ってたビタミン剤もまとめて会計した。
トートバッグを持ち歩くような用意周到さなんて無く、有料のレジ袋をシャカシャカ鳴らしながら二人並んで歩く。
水分系の物がいっぱい入った袋は重くてビニールが指に食い込んで痛い。
右手、左手、右手と持ち替える姿を見て、持ち手の片方を持ってくれた。
もう辺りは暗くて、当然のようにミョンホの家への道を行く。
初めて歩く道なのに、まるで自分の家に帰るような安心感。
こうやって一緒に歩くのは、ミョンホからの告白を受けたバレンタイン以来。
あの日は離れないようにって腕を組んでたんだっけ。
「看病しに来たのに......寝てなきゃダメじゃない。具合は?」
「微熱があるだけ、風邪じゃない」
「風邪じゃないなら何? 知恵熱?」
「知恵熱って......子供かよ。まぁ、考えることは多かったけど」
それって私のことかな?
「......恋煩い?」
おそるおそる聞いてみると、
「うるさい」と、袋を持っていない方の手で頭を小突かれた。
私がすぐに返事をしなかったからなのだろうか。
私も好きだって、私の方が前から好きだったって伝えたい。
そのためにここに来ているのに、今じゃない、今じゃないと思ううちにミョンホの部屋に着いてしまった。
278人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこもちのいえ(プロフ) - SALANさん» はい、大丈夫です。こちらこそいきなりすみませんでした (2022年2月23日 19時) (レス) id: 3aa14b70c5 (このIDを非表示/違反報告)
SALAN(プロフ) - ねこもちのいえさん» 教えてくださりありがとうございます。消えてますでしょうか? (2022年2月23日 18時) (レス) id: 891eb2b6e4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもちのいえ(プロフ) - オリフラ立ってますよ (2022年2月23日 14時) (レス) @page20 id: 3aa14b70c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SALAN | 作成日時:2022年2月17日 22時