22 ページ22
同期飲みから早数週間。
あれからミンギュとは2日に1回ほどカトクをやりとりするくらいで、喫煙所にも滅多に行かないから会わない。
当然ながら彼が副店長を務めるという日本料理屋にもまだ一度も行けていない。
せめて定時に上がれれば帰りに寄れるのになぁ......と思うが、今日は外回りをするから遅くなるだろう。
営業職にとって地獄の月末を過ぎても、またすぐに次月の計画が待っている。
2月は稼働日数が少ないために月初から数字に追い立てられ、気づけばもう折り返し。
やれデパートのチョコレートコレクションだの、義理だ本命だ恋愛だのにうつつを抜かす暇もなくバレンタインが過ぎていこうとしている。
「バレンタインなんてただの製菓会社の金儲けの日だろ?」
なんて、やさぐれていた心も1年経てば回復し、好意を伝えるきっかけや普段照れくさくて伝えられない感謝や愛情を表に出す大義名分を与えてくれる素敵な日だと思えるようになった。
今日で10回くらいは既に聞いた言葉、
「今日この後デートなんです〜」
世の恋人達はこの日を本当に大切にしてるみたいだ。
ミョンホも今日ばかりは彼女と過ごすんだろうな......
と思っていたのに、
「さ、行こう」
この男はどうして私をエスコートしているの?
向かう先は社用車。
「何でって、今日の訪問、ペア俺だけど?」
「え、そうだっけ?」
「うん、代わってもらった。ほら、」
助手席の扉を開けてくれて、
私が乗り込むと閉めてくれて、
自分は当然のように運転席へ。
有無を言わせない流れるようなエスコートに
何も言えないまま、緩やかに発車する。
「嬉しい?」
嬉しいに決まってる。
仕事とはいえ、バレンタインに好きな人と一緒に居られるなんて......
恋の神様、
私も少しは乙女になってもいいですか?
278人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこもちのいえ(プロフ) - SALANさん» はい、大丈夫です。こちらこそいきなりすみませんでした (2022年2月23日 19時) (レス) id: 3aa14b70c5 (このIDを非表示/違反報告)
SALAN(プロフ) - ねこもちのいえさん» 教えてくださりありがとうございます。消えてますでしょうか? (2022年2月23日 18時) (レス) id: 891eb2b6e4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもちのいえ(プロフ) - オリフラ立ってますよ (2022年2月23日 14時) (レス) @page20 id: 3aa14b70c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SALAN | 作成日時:2022年2月17日 22時