シガーキスはあなたと (ページ13)

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フラついたミンギュさんは速攻煙草を消し、私が吸い終わるのを待ってくれている。

さっきは3人の大学時代のことしか話してないし、私は気になっていたことを聞くことにした。

「ミンギュさん、大学卒業してから今まで海外にいたんですよね？何かしてたんですか？」

「俺、料理が好きで卒業してから一年半くらい色んな国に行って料理勉強してたんですよ。留学ってわけでもないけど」

なんと。
早起きで綺麗好き(予想)のこの人は料理もできるのか。
ズボラで料理下手な私とは大違い......

「そうなんですね！じゃあ今はどこかでシェフしてるとか？」

するとミンギュさんはダウンの内ポケットから名刺を取り出して渡してくれた。
そこには店の名前と《副店長キムミンギュ》の記載があった。

「副店長！？すごいですね！」
「いやいや、日本にいた時にしばらく修行してた店で仲良くなった韓国人がいて、この近くで日本料理屋開くって言うから手伝ってるんです」

日本料理かぁ......板前の格好をしたミンギュさんを想像して、あまりにも似合っていてニヤニヤしてしまう。

「私、日本のご飯大好きなんですよ」
「今度ぜひ食べに来てください！ Aさんたちの会社から近いので」

なるほど、だからあの喫煙所を使ってたのか......

ここで私の一本がもう短くなり、火を消して店に戻ることに。
ミンギュさんの吸い殻も一緒にポケット灰皿に入れてあげた。

ミンギュさんにもう一つ、なんで煙草を始めたのかも気になったが、聞かずともなんとなく想像がついた。

話している間ずっと彼の手にあった煙草は、女性が好んで吸う銘柄だったから。