◆ ページ19
.
「だってだって、私潤くんが好きになるような女じゃない！」
潤くんは私のことはタイプじゃない。これは絶対的に言える。
今まで付き合ってきた歴代の彼女は大体知っているけど、私とは正反対と言ってもいいほどの女の子。
おしとやかな美人系。ついこの前まで付き合っていた彼女も相当な美人。
綺麗で可愛い感じで、潤くんの隣に並んでも引けを取らない女の子だった。写真でしか見たことないけど。
「俺には自由に人を好きになれる権利はねぇのかよ」
「ううんっ、違う！そうじゃないけど、私を好きになるのはセンスない」
「おい、俺のセンスを否定すんのか」
「ちがっ！潤くんは見る目あるけど私を好きになるのはナンセンスってこと！」
「お前は俺のことなんだと思ってんだよ。あーあ、そんなに嫌がられるなら好きって言うんじゃなかった」
はあ、と深いため息を吐く潤くんは、少し怒ったような、不貞腐れたような顔をした。
えっ…嘘でしょ？もう絶対嘘だもん。潤くんが私を好きになる世界は存在しない。
だけど潤くんの顔を見ると、一つも嘘を言っているようではなく困惑する。
「嫌じゃないよ！ごめんっ、ちょっと信じられなくて…その…だって潤くん私のこと異性として見てないって言ってたから」
「お前が俺を異性として見てないから、俺はそれに合わせてただけ」
「えっ！？待ってっ！いつから！？」
「中学生のときからかな、確か」
「えぇっ！そんな前からなの！？嘘でしょっ！？」
「うっせぇなお前。声大きいって」
信じられない事実を知り、大げさに声を上げて驚く私を、心底面倒臭そうにあしらう潤くん。
そんな潤くんを見て、やっぱり私との温度感は真逆だな、と改めて思う。
「…でさ、Aはどう思ってんの？」
「え？」
「俺のことも含めて、どう思ってんのか」
「…それは」
「質問変える。お前は今、誰のことを想ってんの？」
真剣な眼差しを私に向ける潤くんに、心がざわついた。
「斗真から全部聞いたと思うけど、斗真は今でもAを想ってる」
―――…“お前は今、誰のことを想ってんの？”
その問い掛けに、何も言えずに黙っていれば、潤くんは静かに口を開いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
