◆ ページ18
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―――…“お前は誰と幸せになりたい？”
潤くんの言葉が胸の深いところを突き刺した。
私は、“誰”と幸せになりたいのか。それは…
「忘れられずにいつまでも他の人を想い続けている櫻井さんか」
私を見つめてはくれないけれど、一緒に居ると楽しくて幸せで、だけど苦しくて切なくなって。
報われない恋でも構わないと思うほど、心から好きになれた翔くんか。
「散々傷つけられたけど好きで堪らなかった斗真か」
心が乱れるほど誰かのことを好きになれたのは初めてで、トラウマになるほど傷付けられる恋愛をしたのも初めてだった、そんな恋をした斗真くんか。
「それとも…」
次に鼓膜を抜けたその声を疑った。
「小さい頃からずっとお前の傍にいた幼馴染の男か」
え？と声にもならないほど驚いた顔をした私とは対照的に、潤くんは顔色を変えることなく冷静に私をじっと見ていた。
「俺だったらAを傷付けることも、嫌いになることもない。俺はAを幸せにできる男だと思う」
一言一句を丁寧に紡ぐ。潤くんの声はいつもよりも低く、落ち着いていた。
信じられない言葉の羅列に頭が追い付かない。私を幸せにできる男、だというその言葉の意味は一体？
「えっ、と…待って…それ、どういう意味？」
「お前のことが好きっていう意味」
「…嘘でしょ」
そんなはずない。疑った感情が次の瞬間にははっきりと形付いて、逸らすことなく私の目を見て言った潤くんは、嘘じゃないと強く告げたようだった。
「マジ。信じてもらえねぇのも無理はないけど。ぜってぇ気付かれねぇようにしてたから」
「うそっ、やだ。潤くんが私を好き？…あり得ない、何で私なんかを好きなの！？」
「やだって何だよ、傷つくわ」
その言葉通り、落ち込んだような顔をする潤くんを見て、再び「あり得ない…」と呟いてしまった私に「拒否されるほど俺は対象外なのかよ」と潤くんは更に傷ついた顔をした。
嘘でしょ？こんなことってある？ない！絶対にない！
だって私たちは少女漫画の世界でよくある幼馴染との恋愛関係には絶対にならないはずだった。
だから私を好きだという潤くんの気持ちを察することもできるはずがない。
その予兆すらも26年間一緒に過ごしてきた中で感じたことがなかったのだから。
今この瞬間、初めて知った感情だ。
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にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
