◆ ページ7
.
イルミネーションを見て回ったら、23時間近になっていた。
遅くなったから送るよ、と言ってくれて、一秒でも長く一緒に居たくて、その言葉に甘えて家まで送ってもらうことにした。
家の最寄り駅に着いたときには、23時半を過ぎていた。
すっかり冷え切った夜の空気に、マフラーに顔を埋めて翔くんと並んで歩く。
「じゃあ…俺はここで」
マンションのエントランス前に着いたら、翔くんがピタリと足を止め、私にそう言った。
ああ…楽しかった。楽しい時間は一瞬だ。
もうお別れの時間。家までの道のりが史上最高に短く感じた。
「あ、そう…これ」
翔くんより一歩先に進んだ身体をくるっと翔くんの方に向け、後ろ髪を引かれる想いを捨てて、お別れの挨拶を口にしようとした瞬間だった。
翔くんが何かを思い出したかのような表情を浮かべたあと、手に持っていた会社の後輩の女の子に買ったプレゼントの紙袋から、小さな紙袋を取り出した。
「Aちゃんに誕生日プレゼント」
そしてそれを、「はい」と翔くんは私の前に差し出した。
「えっ…プレゼント？」
突然のサプライズに驚き、キョトンとした私に、翔くんは「気付いたら買っちゃってたの。だから貰って？」と言って、私の右手に紙袋を握らせた。
紙袋を見れば、後輩の女の子へのプレゼントを買ったお店と同じ。
いつの間に？私のプレゼントまで買ってくれていたの？
私の知らないうちに、どうやら翔くんは買ってくれていたようだ。
「翔くん…嬉しい、ありがと」
まさかプレゼントが貰えるなんて思ってもみなかった。
嬉し過ぎる。どうしよう、めちゃくちゃ嬉しい。小躍りしちゃいそうなくらい。
「ふふ、ほんの気持ちだけど」
「ううん！すっごく嬉しい！」
私がそう言えば、翔くんも嬉しそうに笑ってくれた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
