＃14.シャンパンの弾ける音 ページ1
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美術館を巡り終わった時刻は17時を回った頃だった。
夕ご飯を予約した時刻の19時まで、まだ２時間ほどある。
どうしますか？と訊かれたけれど、やっぱり翔さんに全てを任せてしまった私。
もう翔さんと居られるなら、どこでも、何をしてもいい。
じゃあちょっと付き合って貰っても良いですか？と控えめに切り出した翔さんの言葉に頷けば、美術館の最寄り駅の近くにあるファッションビルに行くことになった。
「会社の後輩の女の子が先週誕生日で、何かプレゼントしたいなって思ってたんですけど、なかなか決まらなくて…」
「先週誕生日？」
「ああ、はい。16日が誕生日だったんですけど…」
「私と同じだ！」
翔さんの言葉を遮って、思わず口を挟んでしまった。
だって同じ誕生日の人って、そうそう巡り合わないから。世界中探せば、もちろん数え切れないほどいるけど。
身近な人に…とは言っても、翔さんの会社の後輩の子の顔も名前も知らないんだけど。
「えっ、Aさんの誕生日16日だったんですか！」
翔さんが少し目を開く。大きな目がクリクリしてて可愛らしい。
私もそのくらい大きな目だったらなぁ、といつも羨ましく思う。
「あ、はい！26歳になりました(笑)」
「遅らせならば、おめでとうございます。すみません、知らなかったので当日にお祝い出来なくて…」
「えっ！そんなっ！謝らないで大丈夫ですよ！私も翔さんの誕生日知らないですし！」
申し訳なさそうな顔をする翔さんは、とんでもなく真面目で誠実だ。
私の誕生日をお祝い出来なかったぐらいで、そんな顔をする必要ないのに。
でもこういうところ、翔さんの素直で律儀なところに、胸がキュンとしてしまう。
そして、「好き」の気持ちが募ってしまうんだ。
だけど、その一方で苦しくなることもある。
無情にも舞い上がっては沈んでの繰り返し。まるでシーソーゲーム。
あなたは、なんて罪な人なんだろう。私の気持ちをどうしたいの？
でも、私はあなたの手のひらの上で、いつまでも転がされていたいのかもしれない。
だって頭の中は、怖いくらいあなたばかりで埋め尽くされているから。
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にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
