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「あ、ねえ潤くん。ちょっと俺の相手してよ」
「は？相手って？」
「友達来るまで暇なんだよね。だからお茶でもしない？」
「いや俺一人だったらいいけど、Aいるし…」
チラッと潤くんの視線が私へと向いたのと同時に、二宮さんの視線も私に向いた。
急にイケメン二人に視線を向けられ、ドキッとしたのは仕方ない。
潤くんは慣れているけど、二宮さんの顔の綺麗さには免疫がない。
その結果、相乗効果で二人の視線が圧になって、何だか見つめられてオドオドしてしまう。
「Aちゃん、いい？」
「え、」
「30分くらい俺に付き合ってくれない？」
だめ？というかのような目で私を見て、可愛らしく首を傾げた二宮さん。
何なの、この女子よりも可愛くてあざとい男の子！男の子って年齢じゃないだろうけど。
潤くんと同期ってことは私と同い年だろうし。
「おいカズ」
「だって暇なんだもん。いつもは絶対遅刻しない友達が珍しく寝坊してさ、待ち合わせ場所に10分前には絶対来てるのに、その時間に起きたって」
「知らねぇよ、そんな都合」
「潤くん冷たい。いいじゃん、ちょっとの間。ねえAちゃん」
潤くんに向いていた目が再び私に戻り、だめ？と目を向ける二宮さんに、何故だか断ることが出来ず、コクンと頷いてしまった。
潤くん、怒るかな。でも私も二宮さんに訊きたいことがある。二宮さんと話したい。
だって翔さんのことを知れるチャンスなんて、もうないかもしれない。
二宮さん本人から聞ける機会はもうやって来ないかもしれない。
「ふふ、Aちゃんはいいって言ってるけど？」
「A、いいの？」
二宮さんの誘いに同意をした私を、潤くんが怪訝そうに見るから、言葉とは裏腹に、その同意を本当は取り消して欲しいんだろうとはすぐに分かったけど、「いいよ」と返事をした。
ごめん、潤くん。私は二宮さんと話がしたい。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年12月2日 19時
