ー 肆 話 ー ページ5
6時間目が終わると、教室内はざわつき出す。
部活に入っている者もいれば、私みたいに特になんにも所属しておらず暇を持て余した者もたくさんいる。
まあでも、今日はエーミール先生に残っておいてと言われたから帰れないのだけど。
そんな事を考えながら教科書をカバンに詰めていると、教室のドアが勢いよく開いた。
「 Aー! 」
「 … 」
「 よう無視するなあ、」
そう言いながら此方へ近づいてくるゾム。
ちなみに彼も暇な方の部類に入る。
「 なに? 」
「 いやぁ、寂しいAの為に一緒に帰ってやろうかと… 」
何を言ってるんだこいつは、と思いため息を付く。
「 頼んでないし、わたしエーミール先生に呼ばれてるの 」
「 ふーん、じゃあ俺も行こ 」
「 はぁ…?」
がた、と席を立ち、廊下に向かう私の後ろを着いてくるゾム。
いや、よく躊躇なく着いて来られるな…。
何度目か分からないこの感情を抱いて、職員室へ向かった。
.
「 エーミール先生、呼んでますよー 」
職員室に呼びにいけば、代わりに近くの先生がエーミール先生を呼んでくれた。
しばらくするとエーミール先生が出てきて、
「 あ、Aさ… ん? 」
「 ちちちちっす!朝ぶりやな! 」
眩しい笑顔で言えば、先生は困惑した表情を浮かべた。
「 もしかして、まだ説教したりな___ 」
「 それよりAの用事ってなんすか!?」
早口で捲したてるゾム、溜息をつく先生。
用があるのは私だと言うのに、一体何を見せられているんだ私は…。
「 いや、貴方今話遮りましたよね…?というかまずなんでゾムさんがいるんでしょうか…」
額に手を当ててため息をつく。
そんなにため息ついてばっかだと幸せ逃げちゃうよ、先生。
「 すみません、なんか着いてきちゃいました… 」
「 そうそう!早よ帰らしたってや〜 」
いや先帰ってくれ。
と思う私を他所に、エーミール先生は「少し待ってください」と言ってまた職員室内に入っていった。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです!これからもこの作品をよろしくお願いします(-人-) (2019年11月23日 11時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ニヨニヨ(( 続き楽しみにしてます! (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です!これからもこの作品をよろしくお願い致します(-人-) (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....!wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....!登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...!励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします(-人-) (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐里 | 作成日時:2019年11月8日 19時