ー 弍拾弍 話 ー ページ23
「行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
母にそう言い残し、玄関を開けるとそこには___
「おはよ、A」
「いや、なんでいるの?」
「だって一緒に行く言うたやん!」
いや、だからって家の前でガン待ちは流石に引く…。
ふと目線を落とすと、ゾムのかじかんだ指先が目に入った。それを見るにずっと待っててくれたみたいだ。
「…ごめんね、待たせて」
「!」
それだけ言って私は歩き出す。
ゾムは「あ、待ってや!」と嬉しそうににこにこしながら着いてくるのだった。
.
あれからまた他愛もない話をして学校に歩いていく。
正門に近づくにつれて、何やらやけに騒がしい。
「なんか、うるさない?」
「また風紀委員居るんじゃないの」
そう軽くあしらって歩いていくと、なにやらパトカーのようなものが見えた。一体何があったんだろうか?
ゾムも校内に止まるパトカー気づいたみたいだ。
「警察やん!俺捕まるんちゃうん!」
「自分で言うな」
馬鹿みたいな事を言うゾムにツッコミを入れつつ正門をくぐると、見慣れた人がいるのに気づく。
私はその姿を見つけて駆け出し、声をかけた。
「先生!何があったんですか…?」
「Aさん、それがですね…。あ、ゾムさん」
先生が私の方に目を向け話を切り出そうとしたとき、ゾムの手が肩に置かれた。
「ちっす、どしたんすかエミ先生」
「…困った事になりました。」
そういう先生はどこか深刻そうで、私にもそれが伝わってきた。
「…何があったか教えて貰ってもいいですか?」
「実は、」
そう言って顔を俯かせるエーミール先生は、どうやらなにか迷っているらしかった。
「エミ先生、教えてや」
ゾムがそう催促すると、先生は苦しそうな顔をして言った。
「…此処の女生徒が二人…行方不明になりました」
「!」 「行方不明…?」
エーミール先生はいつものように額に手を当てて苦い顔をしている。
対してゾムは、目を見開いて驚いているようだった。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです!これからもこの作品をよろしくお願いします(-人-) (2019年11月23日 11時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ニヨニヨ(( 続き楽しみにしてます! (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です!これからもこの作品をよろしくお願い致します(-人-) (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....!wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....!登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...!励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします(-人-) (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐里 | 作成日時:2019年11月8日 19時