10粒 ページ10
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syp｢あの、エミさん｣
eml｢はい？｣
syp｢なんでAさんはずっと長袖なんですかね。｣
eml｢あー…そういや気にした事無かったな。｣
この理由はどうやらエミさんも知らないらしく、只管に頭を傾げた。仲のいいはずのエミさんも知らない、ということはグルッペンさんとかしか知らないんか…？
云々悩んでいると、エミさんは少し遠慮気味にオドオドとしながら聞いてくる。
eml｢Aさんの腕、気になるんですか…？｣
syp｢不本意ながらも。…無理矢理見るとかしませんよ。｣
エミさんの目からは嫌がるようなことは絶対にするなと言う意思がひしひしと伝わってきて、安心させるようにそう言ってやる。しかし無意識だったのかは分からないがそんなことは思ってないと否定される。
嘘つけ、割とバチバチやったであれ。
けれどそんな俺達を置いていくように外の雨水音も強くなるばかりで、さっきはなんともなかったハズの心做しか気まずい。
eml｢彼女も…Aさんも昔、色々あったらしいんです。今が楽しければそれでいい、そう思いませんか？｣
syp｢…そう、っすね。すいません、変なこと言い出して。｣
eml｢い、いえ！私こそ、変なことを言ってしまい申し訳ないです。｣
昔色々あった、な…。
色々で済ませるのはなんかちゃう気もするけど、隠すにはそう言うしかないのかと口は挟まずに本を静かに閉じた。
この本は部屋で読むことにしよう。今この空間で読んでいても、あの人が脳裏に過ぎって集中出来やしない。エミさんにはお礼を言い、紫さんにも挨拶をしておこうと部屋を出ては声をかける。
syp｢紫さん、お邪魔しました。｣
「はーい。ショッピさんまた…て、なんか顔疲れてますね。大丈夫ですか？」
syp｢は、はい…大丈夫ですけど｣
「ふふ、疲れた時は幻想に夢見るのもいいものですよ。」
いつしか聞いた、紫さんは意外とロマンチストだという話を思い出す。こういうところか、と曖昧に返事をして部屋をでる。不思議な人だ。丸メガネを付けていたというのに、メガネを取っていたらやけに大人びているように見える。
幻想を見る、な。
歩いていれば、ごろごろと空が音を鳴らす。雨は先ほどと変わらず窓に打ち付けられているが、下が騒がしいことに気がついた。
あの人達帰ってきたんかな。そう思って下に降りてみると案の定広い玄関口でごちゃごちゃとやっていた。
うわこれ面倒なやつや。すぐUターンをしたが声をかけられてしまう。
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きらら(プロフ) - 完結したっ…いい終わり方でしたァっ…ガチ目に泣きました… (2019年11月22日 5時) (
レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
なのくさ(プロフ) - びりびりしますね、更新楽しみにしてます。ぞくぞくして面白いです (2019年11月4日 23時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんひな - ひくん大好きです！四ツ谷さんの小説好きなので更新待ってます！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 894f831fc0 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - いっぱいちゅき… (2019年9月13日 21時) (レス) id: da8d83ddba (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - 本っ当に四ッ谷さんのぴくん好きです！更新頑張って下さいっ！ (2019年9月9日 20時) (レス) id: b039efaad2 (このIDを非表示/違反報告)
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