9粒 ページ9
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特に口数が多いというわけではなかったが、この空間に流れる空気はびっくりするほど緩やかで悪い気はしなかった。暫くの沈黙も、俺からしたら何にも思わない。それはエミさんも同様なのか本を1枚めくり、紫さんが淹れてくれた珈琲を優雅に飲んでいる。
エミさんの淹れた珈琲飲んでみたいな…。ふとそう思い、話を振ってみた。
syp｢エミさん今度俺に珈琲淹れてくださいよ｣
eml｢え？！いや君それ絶対馬鹿にするやつやろ！｣
syp｢しませんって〜！ほらちょっと、ちょっとでええから！｣
そんなこんなの馬鹿をやっていれば、この部屋の唯一のひとつの扉からノック音がして誰かが来たことを知らせる。俺はそれに気がつくとエミさんに目配せをし、別に開けてええよと視線を送った。
それに少し戸惑いながらも、ドアを内側に引っ張って開けてみる。
『ごめんね、楽しそうな声聞こえてきたから邪魔はしたくなかったんだけどマンちゃんがどうしてもこれをエミさんに渡さなきゃいけないって言われちゃて…』
eml｢そうなんですか？わざわざすみません、持って来させてしまって…｣
『大丈夫大丈夫！じゃあ後は2人で楽しんでね』
ショッピ君もまたね、と言われたが頭を軽く下げるぐらいだった。流石に無愛想だとは思うけれど自分からしたら別にどうでも良くてなんでもいい。
そういやエミさん辺りにAさんのこと聞きたいなとか思ってたんやっけ。Aさんどっか行ったら聞いてみよ。
しかしそんな一方でエミさんとAさんの会話は膨らみ、それをBGMとして耳に入れていると急にエミさんがこんなことを提案する。
eml｢せや、Aさんも一緒にどうですか？｣
syp｢…｣
俺は許可してへんぞエミさん。いやここの人たちにはAさんのことが苦手なんて死んでも言えないから別にもうなんでもええんやけど…・。
バレないように小さく溜息を吐き、また次のページにいくとAさんに目を配ってみる。
すると何故かバッチリと目が合った。
『え、っと、今はショッピ君と一緒にお茶してるんでしょ？私はまだ仕事残ってるから大丈夫だよエミさん。また今度さそってね』
eml｢そうですか、残念です…｣
syp｢……仕事、大変ですね｣
『うん、でも楽しいからいいかな』
あはは、と笑いながらこの部屋を出ていく。…気に食わない。俺の感情に少し勘づいて遠慮でもしたのだろうか。
それがどうしても嫌いで、紛らわせるように口の中に珈琲を含んだ。
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きらら(プロフ) - 完結したっ…いい終わり方でしたァっ…ガチ目に泣きました… (2019年11月22日 5時) (
レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
なのくさ(プロフ) - びりびりしますね、更新楽しみにしてます。ぞくぞくして面白いです (2019年11月4日 23時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんひな - ひくん大好きです！四ツ谷さんの小説好きなので更新待ってます！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 894f831fc0 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - いっぱいちゅき… (2019年9月13日 21時) (レス) id: da8d83ddba (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - 本っ当に四ッ谷さんのぴくん好きです！更新頑張って下さいっ！ (2019年9月9日 20時) (レス) id: b039efaad2 (このIDを非表示/違反報告)
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