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シャオロンと近くに停めてある海賊船に乗り込む。シャオロンは海賊船に戻ってきた途端、あのチップを足で踏みつぶして粉々にした。私はそれに目を見開かせると、もう要らんから、とシャオロンは言葉を続ける。
救急箱を借りて、シャオロンの手当てをする。消毒液をかける度に痛い痛いと言っていたが、私がずっと言葉を発さないでいたせいなのか黙り込んでしまう。
怪我を手当てするごとに私は涙を流す。本当に自由になれた喜びからなのか、こんな怪我をさせてまで助けさせてしまったからなのか、それは分からない。
でもその涙が手当てしていたシャオロンの掌に落としてしまい、慌てて自分の涙を拭いた。
sho｢…なんで泣いとんの｣
『…分かんない。』
sho｢なんや、やっぱ大先生の方に｣
『違うよ。…開放されたって思ったら、嬉しくて。』
sho｢ほんまにそれだけ？｣
『え…』
sho｢本当にそれだけの理由なん？｣
嘘じゃない。そう思ってもシャオロンには丸わかりのようで。ふぅ、と息を吐き、吐き出すことに。
『怪我させちゃったことが申し訳ない、ってのもあるかな。さっきのは嘘じゃないよ。』
sho｢…怪我はAのせいやないよ｣
『本当？……うーん、』
sho｢ほんと。だからそんな泣くなって｣
『シャオロンさんかっこいー。』
sho｢惚れてもええんやで。｣
『…もう惚れてるし。』
左手に包帯を巻き終わると、包帯越しに手を撫でた。さっき握ったせいか私の手にも血がついていて、それに目を細める。
こんな手に私がさせたと思うと心が苦しくなる。
そう思っていた矢先、シャオロンの右手が私の頭の上に乗っかった。顔を上げて顔を見てみると、微笑んで私を見てくれる。あ、優しい、顔。
その顔が好きで、今度はそちらに意識を集中させる。でもそんなシャオロンの右手は私の頬に降りてきて、顔を近づけられた。軽くキスをされる。キスをされた、とちゃんと理解するとどんどん顔に熱が集中してしまう。
sho｢あんま可愛いこと言うのやめてや｣
『……言った記憶無い。』
sho｢無意識はタチ悪いで。｣
『…すき』
sho｢俺も。…これから、俺と自由な旅してくれませんか。｣
『うん、させてください。』
にへら、と笑ったら今度は長いキス。
窓には、青空が広がっているのが見えた。窓からは日が差している。
ここからでもそれは眩しくて、貴方みたいだな、なんてね。
青空と憧憬。
end.
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四ツ谷抹茶(プロフ) - Alexさん» ありがとうございます…！！！そう言って頂けて光栄です、どうぞこれからも応援よろしくお願いします…！ (2019年7月16日 19時) (
レス) id: 2106793cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - とても面白かったです！応援してます！ (2019年7月16日 13時) (レス) id: 9980b2e5cf (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷抹茶(プロフ) - かなさん» 最後まで読んでくださりありがとうございました！最高言っていただけるような作品を届けることができてとっても嬉しいです…！応援まで…本当に感謝しかありません、次回作も期待して待っていただけたら有難い限りです、よろしくお願いします！！ (2019年7月15日 23時) (レス) id: e084f888fc (このIDを非表示/違反報告)
かな - 初見失礼します！本当に最高でした！もう最後のut先生の所は恥ずかしながら泣いてしまいましたw次は脅威の作品を見ようと思います！そしてこんな中学生の拙い文章を読んで頂けると嬉しいです。貴方様をずっと応援させていただきます！ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 2f3992ceb8 (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷抹茶(プロフ) - 理香さん» コメントありがとうございます！今回の小説は憧憬というキーワードを意識して書いていたのでそういう感想を聞けて私も嬉しいです…！これからの航海もいいものであるといいなと私も思います…ここまでの応援、感謝です！次回作もよろしくお願いします！！ (2019年7月15日 19時) (レス) id: e084f888fc (このIDを非表示/違反報告)
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