なな。 ページ7
.
右には腕、左にも腕。
目の前には、整った顔をしている隊長の顔。
いきなりピンチです。
…まず、なんでこの状況なのかを冷静に振り返ってみよう。
またいつも通り歩いて、トントン書記長様の書類を手伝いに行く。その時にも視線はやはり感じて、今回は隣に隊長も誰も居ないため陰口を叩かれた。
体を売った。
色目を使ってる。
女の癖に。
調子に乗るな。
この道を通らなければよかったと裏腹に思うが自分は何もしていないの一点張りで足の速度を早めた。
そう、私は何は大丈夫。
こんなのに耳を傾けるまでもない。心配してくれるメイドさん達にお礼を言って、書記長室まで歩いた。
…そう、ほんとは隊長なんて、慕われて当然の立ち位置なんだ。けれど男尊女卑という言葉があるように、この国もそれがまだ抜けていない。ましてや兵士。願望が強くて当たり前のような気がする。
私を慕ってくれるのは同じ軍隊の人達だけと言っても過言ではない。
しかし、それでいい。それが一番楽なんだから。
『…トントン書記長様、いらっしゃいますでしょうか。』
tn｢…あぁ、Aか。居るで。入ってきてええよ｣
ノックをした後に失礼しますと声をかけて部屋の中に入る。相変わらずここは書類だらけ。床にまで時所々書類の束が置いてるけれど何より机の方の空きスペースがほぼない。
この状況とトントン書記長様の目の下の隈には何度呆れてしまったことか。
『お手伝いに来ました。仮眠をとってください。私でもできるようなことはします。』
tn｢あぁ、悪いな、毎回…｣
『いえ、っと…』
書記長様はよろりとよろめいて私の方に倒れてくる。それをなんとか背中に手を回して支えきり、寝室の方にまで肩を持って運べば、ベッド前で一旦停止した。
寝るように催促し、毛布を掛けてあげては眼鏡も拝借して取らせてもらう。
…眼鏡を取ったらより隈が酷く見えるのは言わないでおこう。
そういう中、寝付けないのかトントン書記長様は目を瞑ったまま口を開き、私に話しかけてきた。
tn｢…なぁ、幹部には｣
『なりませんよ。どうしたんですかトントン書記長様まで、』
tn｢はは、冗談やって…。…なぁ、せめて様付けやめてくれへんかな。｣
『………ですが。』
tn｢俺が嫌。｣
『…分かりました。』
ならええわ、トントン書記長は寝返りをうって私に背を向ける。
寝息が聞こえてきたのでどうやらちゃんと寝たらしい。少し安心して寝室を後にした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆mio☆(プロフ) - 応援しています！！！頑張って下さい。 (2019年3月11日 14時) (
レス) id: b33f5bcf6c (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - 私は作者様を応援します！ (2019年3月11日 7時) (レス) id: 68477f71e3 (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 頑張ってください！ (2019年3月11日 1時) (レス) id: e8d1e397c4 (このIDを非表示/違反報告)
藍彩(プロフ) - 更新お疲れ様ですこれからも応援してます (2019年3月11日 1時) (レス) id: df9cf9fd49 (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - 更新お疲れ様です。四ツ谷さんはきちんとルールを守っていらっしゃるので、大丈夫だと思います。ですが、これからこの界隈として、もっとルールを作るべきかもしれませんね…。これからも頑張って下さい！ (2019年3月10日 22時) (レス) id: 137ea1b7de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
