side Gaku ページ43
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クラスマッチが行われたのはもう数週間前の出来事。
6月も半ばを迎えて冬服から夏服へと衣装チェンジした今日この頃。
俺は以前となんら変わらない生活を送っていた。
俺は、ね。
ここに1人だけ、以前と変わった生活をするようになったやつがいる。
「椎ちゃんまた呼んでるよ!」
翔「どっち?」
「バスケ部の人!」
『しつこいなぁ。やらないって言ってるのに。』
ちょっと行ってくると席を立った椎名を目線だけでお見送り。最近あいつの周りは騒がしくなった。
翔「バスケ部さんも諦めないねぇ。笑」
恵「それだけAがすごいってことだよね!私は嬉しい!」
岳「でも本人がやる気ないからいくら言っても無駄だけど。」
あの日から休み時間の度にと言っても過言ではないくらい椎名はバスケ部の勧誘を受けるようになった。
それは1年生だけでなく、上級生や監督までもが教室へ来て椎名を説得。
でも、本人は "バスケは大好きだけど今は違うことをやりたいから" と言って毎度丁寧にお断りしていた。
『もー、めんどくさいあの先輩たち。笑』
恵「でも仲良さそうだね。」
『良い人たちなんだけどね。でもしつこい。笑』
「椎ちゃん、呼んでるぞ。」
『今度は誰?』
「2年生だって。」
席に座ったのも束の間、椎名はまた教室を出て行った。
バスケ部の勧誘を受けるのはいいことだと思う。それだけ椎名が認められてるってことだから。
でも翔平が言った 《どっち?》のもう片割れは全然良くない。
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作者名:Pin | 作成日時:2016年1月27日 23時