キャンバス2 (ページ35)

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頬に当てられた柴崎の手をそっと握る。

『.....私、バスケしていいの？』

岳「当たり前じゃん。」

『....みんなに迷惑かからない？』

岳「かかるわけないだろ。」

『.............私のこと、嫌いにならない？』

岳「ならないよ。みんな椎名のこと大好きだから。」

ふわりと笑う柴崎の顔が歪む。
溢れた涙を拭うように柴崎の肩に顔を押し付けて抱きついた。

『でもね、怖いのっ、』

岳「怖くないよ。なんにも怖くない。」

『バスケするの、怖いよ....！』

岳「怖いなら俺が一緒にいる。だから大丈夫。
椎名が心配することなんてなにもないよ。』

抱きしめ返してくれる力強い腕にすごく安心する。

慰めるように優しく頭を撫でてくれる大きな手がとても心地よい。

耳元で聞こえる優しい声が心の奥底にある蟠りを溶かしてくれるよう。

『私、本当は、バスケが好きっ、』

岳「うん。」

『本当はっ、これからもバスケしたい、』

岳「うん。」

『バスケ、してもいい....？』

岳「いいよ。椎名がバスケしてるとこ見てていい？」

『うんっ、見てて欲しい、ずっと見ててっ....』

ぎゅーっと私を抱きしめてくれる身体が熱い。
吸い込んだ柴崎の香りに胸がいっぱいになって苦しい。

苦しくて、胸が張り裂けてしまいそう。

岳「膝、痛い？」

『ううん、痛くないよ。』

岳「....よかった。」

顔を上げると目の前にある柴崎の顔。
視線の絡む綺麗な瞳にまた胸が音を立てる。

翔「俺A大好きだよ！」

恵「私も！」

柴崎越しにガバッガバッと抱きつく翔平と恵梨香。4人で顔を見合わせて笑い合う。

『私もみんな大好き！』

ぎゅうぎゅうと抱きしめあって、笑いあって。

私は幸せ者だ。

こんなに私を想ってくれる人がいる

こんな私を好きだと言ってくれる人がいる

私はすっごく幸せ者だ。

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