side Gaku / * ページ33
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『ごめんなさいっ、また、私のせいでっ、私のせいで....!』
恵「Aは悪くないよ。悪くない。」
たかがクラスマッチで、と思われるかもしれない。
でも椎名はきっと過去のトラウマと今の状況を重ね合わせているんだ。
恵「A、泣かないで。」
『ごめんなさいっ、私、また、みんなに、迷惑かけちゃった....!』
翔「迷惑なんて思ってるやついるわけないじゃん。よく頑張ったよ。」
『本当に、ごめんなさいっ、』
俺が朝椎名の頬に書いた猫のような何かは彼女の涙に濡れて
今は生き物にさえ見えないくらい滲んでいた。
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全然平気だと思っていた。
痛みなんて全く感じなかったし、むしろ調子が良すぎるくらいだった。
倒された時は痛ぇなこの野郎って言いそうになるくらい強気に思ってたんだ。
でも相手に悪気はなかったし謝ってくれたし、これくらいの接触仕方ないと思いながら立ち上がった瞬間、やばいと思った。
膝がガクガクして力が入らない。立っていられない。
飛び込んできた恵梨香に支えてもらってやっと歩ける。恵梨香は心配そうに何度も私の名前を呼んでくれたが、それは右の耳から入って左の耳から出て行ってしまった。
神様は、私にバスケをやらせたくないらしい。
勝手に涙が溢れてきて、口をついて出る言葉は謝罪。
何も考えられなくて、只々悔しかった。
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作者名:Pin | 作成日時:2016年1月27日 23時